ドラマ『イップス』ラスト1分の“衝撃展開”!いきなりのガチミステリーに視聴者「次回 最終回みたいな…」

毎週金曜よる9時よりフジテレビ系にて放送中のドラマ『イップス』。本作はこれまで、“書けなくなったミステリー作家”黒羽ミコ(篠原涼子)と“解けなくなったエリート刑事”森野 徹(バカリズム)が織りなす小気味いい“会話劇”が印象的なコメディー色の強い作品だったが、5月10日放送の第5話ではその印象をガラリと変える、とある事件が発生。ラスト1分の“どんでん返し”に、SNSでは「エッなんか次回最終回みたいな展開になってますけども」「急展開すぎる」「物語が転調したわ」「マジで普通のサスペンスミステリーやん」と、驚きの声が相次いでいる。

(ドラマ最新話までのネタバレを含みます)

◆第5話「法廷画家は誰(た)がために」 悲しき法廷画家を渡部篤郎が熱演

法廷画家・板野恭二(渡部篤郎)は、とある裁判で仕事を終えた後、その担当弁護士である杉本浩紀(田中要次)を屋上へと呼び出した。「また同じ過ちを繰り返すつもりですか」「先生、あのときの犯人はたった数年で刑務所から出て、また事故を起こして死んだんですよ」。板野は、ある過去の遺恨から杉本に詰め寄るが、彼は「お気持ちは分かります。ただ、その(出所後の)件は私には関係のないことで…」と非を認めない。

口論の末、板野は「私がどれだけ苦しんできたか、これでも分かってもらえませんか」と、屋上の縁(へり)から身投げする素振りまで見せる。杉本はただただ冷静であるように努め、「やめましょう…」と板野へ近づく。杉本をおびき寄せることに成功した板野は、くるりと体制を入れ替え、逆にその背中を突き落としたのだった…。

渡部篤郎演じる板野が杉本(田中要次)を突き落とさんとする場面

実は15年前、板野は理不尽な事故により妻を亡くしていた。法廷では危険運転致死傷罪の適用を訴えたが、杉本の弁護により認められなかったという。目的を果たした板野はすぐにその場から立ち去ると、アリバイ作りの協力者から1枚の“法廷画”を受け取る。それは、板野が屋上ではなく、犯行時刻には別の法廷で絵を描いていたことにするための偽装工作。協力者には自身と同じ黒のニット帽やメガネ、マスク、グレーのパーカーを身につけさせ、周囲の目もくらませていた。

一見、完璧にも思えたアリバイトリックだったが、同じ裁判にはちょうど小説のネタ集めのために訪れたミコの姿が…。杉本の遺体が発見されたことを聞きつけたミコは、運転手を務める坂浦猛(渡辺大知)、別の事件を担当していた弟の慧(染谷将太)、そして本件の調査に来ていた森野と共にまたしても首をつっこんでいく。

法廷画を描く板野(渡部篤郎) その様子を何気なく見ていたミコは、彼の“絵を描くときのクセ”にも気づき、それはやがて事件解決の手がかりになっていく

◆ケンカしたまま事件解決? 全然出てこないと思ったら…

裁判所の屋上から落下死したとみられる杉本。だがミコたちは、その遺体の不可解な点に気づく。遺体の背中にはただ落下しただけではつかないような謎の黒い汚れがついていたほか、自殺にしては不可解なほど道路側に飛び出して落下していた。状況から2人は、他殺の可能性を探り始める。

弟の慧いわく、杉本はかなり恨まれていたようで、たとえ相手に大怪我をさせた強盗犯でも、多額の被害を出した詐欺の主犯格でも、報酬さえ良ければどんな事件でも引き受けていたという。ミコたちはさらに、屋上に杉本のタバコの吸い殻が落ちていたことから、犯人は彼のことをよく知っており、この裁判所にも詳しい人物であると予想。やがて、背中についていた黒い汚れは黒鉛であることが判明。2人は自ずと、法廷画家である板野にたどり着くのだった。

屋上で推理するミコと森野

しかし、ここである問題が発生。犯行時刻に別の裁判を傍聴していたミコは、なんとそこで、自ら板野と思しき法廷画家を目撃してしまっていた。当時描かれていたであろう絵も板野が所持していたため事件解決には一歩届かず、ミコたちは一時退却を余儀なくされる。

ただ一方で、そのアリバイはできすぎているとも感じた2人。森野は、その裁判は法廷画家に依頼が行くような大きな事件ではなかったはず、とも…。その後、ミコは2つの裁判で目撃した板野の“描き方”に違いがあったことを思い出す。最初の裁判では、板野は画用紙を左腕で抱えるようにして描いていたが、犯行時刻に行われていたもう1つの裁判では画用紙を膝の上に置いていた。これでアリバイを崩せるかもしれない…。

だが、ミコがテンションを上げる一方で、森野は冷静に「それ、証明できるんですか?裁判中、ずっと見ていたわけじゃないですよね?」と出鼻をくじく。怒ったミコは、「本当に事件解決する気あんの?」「どうせまた逃げ出そうとしてるんでしょ。ほんとに“卑怯(ひきょう)者”だわ」と辛辣(しんらつ)。その発言がどうやら彼の“トラウマ”を刺激してしまい、「ミコさん、もう…現場には来ないでください」とだけつぶやくと、森野はそのままどこかへ行ってしまうのだった。

なかなか板野のアリバイを崩せない2人 森野が姿を消し、ミコはひとりで捜査を進めることに

ひとりで捜査を進めるミコは、別の角度から板野のアリバイを崩そうとする。ただ、もし板野が妻の敵をとるために杉本を殺したのなら、その目的を達した今、彼が自ら命を絶ってしまう可能性もあると考え、決定的な証拠を持たぬまま板野の元へと急いだ。

ミコの“手札”は2つ。ひとつは、板野が描いた“犯行時刻に行われていた裁判の絵”。そこには、担当弁護士である慧の姿もうつっているが、そのネクタイの色は赤色。実はこのネクタイは、裁判が終わった後でミコがプレゼントしたもののため、本来なら当時身につけていた青色になるはず。そしてもうひとつ、その裁判でミコは裁判長からある理由で怒られていたのだが、これを板野は知らない。もし板野が本当にその裁判を見ていたのなら、ミコが弁護士として活躍する弟の立派な姿に興奮し、うるさくしてしまったことを知っているはずなのだ。

ミコの推理を受け、板野は自らの犯行を認めた。否定しようと思えば方法はいくらでもあったが、15年前から描きかけになっている妻の絵をじっと見つめ、こうつぶやく。「あの人を殺せば描けると思ったんですが…。そっか、もう妻は帰ってこないんだ…」

板野の自白により事件は解決。だがミコは「私ひとりじゃ、確実な証拠は見つけられなかった」と、森野がいつも必死で手がかりを見つけてくれていたことを思い出し、“あいつがいれば…”と、一向に返信のないスマホを見つめるのだった。

スマホ上のやりとりでは電脳空間のような演出がなされる本作 森野はこの場所からも姿を消している(画像は第1話より引用)

──ミコが捜査を進めている間、森野はいったいどこにいたのか。実はミコたちと別れた直後、森野は何者かにスタンガンで眠らされ、誘拐されていた…。この驚くべき事態はドラマ本編のラスト1分で突如明かされ、SNSでは「おいおいまだ5話」「急展開すぎるやん」「前半のコメディー路線とはガラリと路線が変わりそうだな」との声が。また、第1話から随所に散りばめられてきた“物語の本筋”も動き出しそうだと話題になっている。

【作品情報】
『イップス』毎週(金)21時~21時58分

《ストーリー》
デビューからベストセラーを連発して人気作家の仲間入りを果たしたミステリー作家・黒羽ミコ(篠原涼子)。だが現在ではワイドショーのコメンテーター業を本業並みにこなす日々。一方、警視庁捜査一課刑事・森野徹(バカリズム)はあることをきっかけに検挙率が右肩下がりになり、事件が解けなくなっていた。そんな絶不調な2人が仕事から逃避するために訪れていたサウナ施設で偶然出会い、殺人事件に遭遇することであれよあれよとバディを組むことに。ミコは「小説のネタが拾える」「生の死体見るの初めて」と事件に興味津々。対する森野は捜査に身が入らない中でも、刑事としての鋭い洞察力を見せミコと共に真相に近づいていく──。

≪出演≫
篠原涼子 バカリズム 渡辺大知 味方良介 足立英 勝村政信 矢本悠馬 染谷将太ほか

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