有明海のノリの出荷をめぐり、公正取引委員会は15日県有明海漁協に「排除措置命令」を出しました。すべてのノリを漁協を通して販売する「全量出荷」が、独占禁止法に違反するとしています。
【公正取引委員会】
「ノリ生産者に対して、生産した乾ノリの全量を（漁協）自らに出荷するなどしている行為について、独占禁止法に違反すると認定した」
排除措置命令が出されたのは、佐賀県有明海漁協と熊本県漁連です。
命令では、ノリの生産者に対し、個人での販売を認めずすべて漁協や漁連を通して販売する「全量出荷」が独占禁止法に違反するとして、全量出荷をやめるよう求めています。
公正取引委員会はおととし、佐賀・熊本・福岡の漁業団体を立ち入り検査していました。
漁協と組合員の取り引きで排除措置命令が出るのは全国で初めてで、違反した場合、3億円以下の罰金が科せられる可能性があります。
一方、漁協側は、「全量出荷を強制していない」として、今後、命令の取り消しを求める訴訟を起こす予定です。
県有明海漁協は、「漁協の取り組みが独占禁止法に違反していないことを裁判所に十分説明していきたい」としています。
