新たな国際線「広島~ハノイ便」就航 広島空港

広島空港とベトナムの首都・ハノイを結ぶ新たな国際線が就航しました。広島県内の企業などは、この路線に大きな期待を寄せており、その狙いを取材しました。2024年5月12日に就航したのは、格安航空会社「ベトジェットエア」です。広島とベトナムの首都・ハノイを5時間で結び週2往復。広島空港の国際線としては、コロナ禍以降、初の新規路線です。運賃は片道1万円台からで、ハノイへ向かう初便は満席となりました。

■利用者

「新婚旅行に広島空港から行けるので楽しみにしている」

「広島に住んでるものなので大阪だったり福岡だったら新幹線使ってのアクセスが必要になるのでそれが省略できるというのは結構大きなところ」

■広島国際空港 中村康浩 社長

「広島とハノイ、あるいはベトナムの間の人的交流、文化的経済的な様々なジャンルでの交流が盛んになる。そういう期待が持てると思う」

広島とベトナムは近年、関係を深めています。現在県内には留学生や技能実習生など1万3000人以上が暮らしています。その数は10年間で7倍。これまで最も多かった中国人を上回っています。一方、広島からベトナムへは、製造業を中心に44の企業が進出しています。人口およそ1億人、平均年齢は30代前半というベトナム市場。広島経済にとっても重要な存在で、県も今回の新規路線に期待を寄せます。

■広島県 県内投資促進課 船石博義 氏

「経済的にも所得も増えていっているので、成長するベトナム市場を県内企業が獲得することによって県内企業の成長につながればと考えています」

廿日市市で自動車販売や板金塗装を手掛ける企業です。技能実習生など16人のベトナム人が働いています。勤務して9年のフックさんにとっても待望の定期便です。

■グエン・オン・フックさん

「昔は2年か3年に1回帰っていたが(今後は)1年に1回ぐらい帰れると思う。広島空港からハノイに飛べるのが一番嬉しいです」

会社は2024年6月、ハノイに新しい工場を建設する予定です。

■NIIZAWA 新沢亮二 社長

「彼らの働き場所を作ってあげる。帰った後にまた違う仕事で安い賃金で働くというのはすごくもったいないなと思っているので。中小企業でも、そういったことの助けになれるのは嬉しいことだと思っているし、どんどん進出していきたい企業が1回見に行く、現地に見に行って、肌で感じて、そこで自分たちで何ができるのかというのを探るという意味では、非常に今回すごく効果的なのではないかなと思っています。」

ハノイ便の就航で広島空港の現在の国際線は6路線となりました。今後は毎日の運航も視野に利用促進を図ります。

【2024年5月15日 放送】

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