【F1】イタリア開催GPの1つ消滅の可能性 ドメニカリCEO示唆「インフラを変える必要ある」

ドメニカリCEO(ロイター)

F1でイタリア開催のエミリアロマーニャ・グランプリ(GP=イモラ・サーキット)とイタリアGP(モンツァ・サーキット)のどちらかが来年以降に消滅する可能性が出てきた。

今週末のエミリアロマーニャGP(19日決勝)を前に、英メディア「スポーツモール」は「イタリアは2026年までにF1レースを1つ失う可能性がある。ドメニカリCEOは、イタリアで開催される2つのグランプリのうち1つが25年以降もカレンダーに残る可能性は低いことを認めた」と報じた。

イタリア紙「ラ・レプブリカ」によると、ドメニカリCEOは将来的な開催計画について触れ「イタリアはわれわれのカレンダーの中心部分だ」とする一方で「しかし、われわれはすぐに国として投資すべき〝資源の量〟についてともに対処しなければならないだろう。グランプリのオリジナリティーだけでは、もはや十分ではないんだ。ファンのためにインフラを変える必要がある」と強調。イタリアの両GPは長年の伝統と歴史を誇りF1の〝顔〟でもあるが、もはやそれだけで開催権を維持することはできないクギを刺したのだ。

今後もイタリアが2つのGPを維持することについて「そうだね、でも客観的にはかなり難しいよ」とキッパリ。その理由について「世界のアジアから米国、そして欧州に至るまで、このカレンダーに参加する準備ができている国がますます増えている。例えば、マドリードはイノベーションが可能であることを実証している」と今後は開催権をの争奪戦がシ烈を極めて〝マネーゲーム〟となる可能性を示唆した。

その上でドメニカリCEOは、8月末のイタリアGPで「モンツァで政府機関やACI(イタリア自動車クラブ)と協議する予定だ」と明言。「今日、一部の国が投資や協力、長期計画の策定に意欲を示さなければ、グランプリを逃す危険性がある」と重ねてイタリア開催のGPが消滅する可能性を強調した。

GP開催を巡っては、最近米国で4番目となるシカゴGPの巨額契約が報じられたばかり。伝統か、それともカネか。F1が岐路に立たされている。

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