前年の猛暑の影響で花芽が育たず… 男鹿市の「あじさい寺」に異変 秋田

秋田朝日放送

「あじさい寺」として世界的にも有名な秋田県男鹿市の雲昌寺。毎年境内いっぱいに咲くアジサイが人気ですが、2024年は異変が起きています。

男鹿市北浦の雲昌寺は6月になると境内に約2000株のアジサイが咲き誇り青の絶景が広がります。例年の今頃はアジサイの葉先に花芽が付く時期ですが、2023年の猛暑の影響で花芽の数が極めて少ない状態です。日差しが強く当たり過ぎるとしおれてしまうため、日陰には花芽が比較的多く、日向では花芽がほとんど見られませんでした。

アジサイは洋名では水の器を意味する「ハイドランジア」と呼ばれ、たっぷりの水を好む花です。雨の降る日も少なく、十分な水を吸い上げられなかった事も影響しました。2024年は一面の鮮やかな青の景色を観ることは難しそうですが、副住職の古仲さんは「毎年見れる花も当たり前ではなく一期一会なのだと教えてくれている」と言います。

異常気象による花芽の少なさは、副住職が「世界一きれいだ」と話す、夜のライトアップにも影響を与えています。青一色のアジサイだからこそきれいに映える青一色のライティング。幻想的な雰囲気で人気のライトアップですが2024年は実施は難しいと判断しました。

雲昌寺にはアジサイのほかにも目を引くものがあります。境内に6体安置されている愛らしい表情の地蔵です。「幸せ六地蔵」と言われています。今までは6地蔵のうち、「微笑み」地蔵の御朱印がありましたが、5月から「笑い」や「祈り」などそれぞれの願いが込められた、6地蔵全ての御朱印が出来ました。

雲昌寺のアジサイの拝観は、6月8日から7月15日までの予定です。古仲さんは暑さを乗り越え力強く咲き誇るアジサイを楽しんで欲しいと話しています。

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