東京VとG大阪の“オリジナル10対決”は痛み分け…ホームチーム優勢も堅守攻略ならず【明治安田J1第14節】

明治安田J1リーグ第14節の東京ヴェルディvsガンバ大阪が15日に味の素スタジアムで行われ、0-0のドローに終わった。

前節、鹿島アントラーズとの壮絶な打ち合いを劇的な3-3のドローで終えた11位の東京V。3連勝を逃したものの、リーグ戦無敗を「10」に更新した。その激戦から中2日のホームゲームでは先発4人を変更。契約の問題で鹿島戦欠場の林尚輝、染野唯月が復帰したほか、翁長聖、松橋優安が左サイドで縦関係を組んだ。

一方、名古屋グランパス相手に2試合連続ウノゼロ勝利を飾って5位に浮上したG大阪。今シーズン初の3連勝が懸かった中3日でのアウェイゲームでは先発2人を変更。倉田秋、ダワンに代えてネタ・ラヴィ、食野亮太郎が起用された。

“Jリーグの日”に開催された東京VとG大阪による、J1では16年ぶりとなる“オリジナル10対決”。開始直後にはホームチームがショートカウンターから染野のミドルシュートで挨拶代わりのファーストシュートを記録した。

互いに前から圧力をかけ合い、球際での攻防が徐々に激しくなっていく中、G大阪は宇佐美貴史、東京Vは森田晃樹を起点に幾度か良い形でプレス回避に成功し、局面を変えていく。だが、最後の局面で高い集中力を見せる守備を崩し切るには至らず。

中盤での攻防が目立つ中、前半半ばの25分には東京Vに決定機。左CKの場面で山田楓喜の浮き球のボールをファーで競り勝った綱島悠斗が枠に飛ばすが、これはGK一森純の好守に遭う。さらに、ゴール前の混戦で翁長、染野が押し込みにかかるが、リーグ最少タイの堅守を誇るG大阪の守備陣が身体を張って防いだ。

前半半ばから終盤にかけても堅い展開が続く。後方からボールを効果的に前進できないアウェイチームに対して、ホームチームは良い守備から相手の守備陣形が整う前に攻撃を仕掛ける。だが、再三のミドルシュートやセットプレーは決定機に繋がらず。

一方、G大阪は前半終了間際に宇佐美の直接FKでようやくファーストシュートを記録したが、枠内シュート0本と完全に攻撃が停滞した状況で前半を終えた。

ゴールレスで折り返した後半、先に動きを見せたのは東京V。ハーフタイムで松橋を下げて、鹿島戦ドローの立役者となった切り札の齋藤功佑を同じ左サイドに投入した。

後半もホームチームペースで進むが、G大阪も55分にセットプレーから決定機。左CKの場面でキッカーの宇佐美が右足インスウィングで滞空時間の長いクロスを上げると、中央で競り勝った岸本武流のヘディングシュートが枠の左へ向かうが、これはわずかに外れた。

膠着状態しばらく続くと、60分過ぎに両ベンチが動く。主導権を握る状況で攻撃にアクセントを加えたいホームチームは山田楓、綱島に代えてチアゴ・アウベス、見木友哉を同時投入。だが、そのチアゴ・アウベスが10分ほどで負傷し、袴田裕太郎のスクランブル投入を余儀なくされる。

これに対して流れを引き寄せたいアウェイチームはネタ・ラヴィ、食野を下げてダワン、倉田を同じく同時投入。だが、こちらも岸本が負傷交代を余儀なくされ、75分には古巣対戦の山下諒也、同じタイミングで宇佐美に代えてイッサム・ジェバリが投入された。

互いに大きくメンバーが入れ替わったことで、よりゴール前での攻防が増えることが期待されたものの、大きく流れは変わらず。それでも、東京Vはサイドを起点に木村勇大、染野と2人のストライカーがボックス内でシュートシーンに絡む。さらに、83分にはボックス手前で見木から足元にパスを受けた森田が鋭い低弾道のミドルシュートを枠の右へ飛ばすが、これはGK一森の好守に遭う。

何とかピンチを凌いだG大阪も直後に決定機。86分、右サイドの深い位置で粘ってマイボールにした山下の折り返しがボックス中央のスペースに流れると、これを倉田が右足ダイレクトシュート。だが、枠を捉えた強烈なシュートはDF林の気迫のシュートブロックに阻まれた。

後半最終盤に入ってようやくゴールの匂いが漂い始め、試合は4分が加えられたアディショナルタイムに突入。今季この時間帯に多くのドラマを起こしてきた東京Vだけに、この試合でも劇的結末が期待されたものの、試合はこのままタイムアップ。

この結果、拮抗したオリジナル10対決はゴールレスドローに終わり、東京Vはホーム連勝、G大阪は3連勝を逃す痛み分けとなった。

東京ヴェルディ 0-0 ガンバ大阪

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