【インタビュー】Nothing's Carved In Stone、メジャー移籍EP『BRIGHTNESS』完成「常に更新し続けていくバンドでありたい」

結成15周年を越えてもなお、「生まれ変わって進んでいく」ことを改めて宣言した2024年2月24日の日本武道館公演で、Nothing's Carved In Stoneは新作EPをリリースすることを発表した。それから3ヵ月、5月15日にリリースされるEP『BRIGHTNESS』は、武道館での宣言通り“生まれ変わった”バンドの姿を印象づける作品となっている。

Nothing's Carved In Stone的にシンプルなバンドサウンドを打ち出した11thアルバム『ANSWER』を経て、これまで以上に有機的に絡み合うようになった4人のアンサンブルをはじめ聴きどころに事欠かないが、何よりもEPと言いながら、全7曲というところにバンドの意欲が感じられはしないか。リリースの4日後には<BRIGHTNESS TOUR>と題して、全15公演を開催するワンマンツアーもスタートする。バンドを代表して、村松拓(Vo)と生形真一(G)にバンドがどんなふうに“生まれ変わった”のか、話を訊いた。

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■お互いにお互いのバンド人生を支え合う■捧げ合うことで成り立っているバンドなんで

──2月24日に開催した15周年記念のは、とても見応えがありました。全32曲3時間のライブは、バンドにとって1つの挑戦だったと思うし、その挑戦をあれだけ見応えのあるライブにしたことは、バンドとして1つのステートメントになったんじゃないかとも思うのですが、村松さんは終盤、Nothing's Carved In Stone (以下ナッシングス)の今後について、「生まれ変わって、もっと先まで行きたい」とおっしゃっていましたね。

村松:あぁ、言いましたね。

──その「生まれ変わって」という言葉は、たまたまその時出てきた言葉なんだと思っていたら、今回のEPの2曲目「Bright Night」の歌詞に“♪My new conscience (生まれ変わった心)”という言葉が出てきたので、バンドとして生まれ変わったという感覚があったんじゃないかと想像したのですが。

村松:武道館の時は、新しいナッシングスをもっと見せていきますという気持ちで言ったんですよ。僕らがやること自体は変わらないけど、もっともっと楽しんでもらえるようなナッシングスを見せていきたいっていう。ライブももちろんだけど、特に音源は。

生形:うちらに合ってる言葉だと思いますよ、生まれ変わるって。歌詞にもよく出てくるんですよ。やっぱり常に更新し続けていくバンドでありたいなとは思っているんで。それは音楽でも何でも、いろいろな面でね。

▲村松拓(Vo)
──なるほど。今回、10年ぶりにメジャーレーベルと手を組んだことも更新することの1つだと思うのですが、メジャーかメジャーじゃないかはさておき、どんなところから、またレーベルと手を組むという話が持ち上がってきたんですか?

生形:ナッシングスは以前にも一回、メジャーレーベルと手を組んだことがあるんですけど、アルバムを3枚リリースしたあと、自分達から離れたんです。そこからしばらくインディーズでやって、結成から10年経ったタイミングで、すべて自分達だけでやり始めた。というのは、それまで所属事務所があって、そこでインディーズとしてやってたんだけど、そこからも独立して、完全に自分達だけで始めたのが2018年。

──以降、事務所もレーベルもすべてセルフだったわけですよね。

生形:そうです。そこから5年間、自分達だけでやってきて、コロナ禍もあったからけっこうバタバタしたんですけど、5年間続けてこられたという手応えもありつつ、ここから先に行くにはどうしたらいいだろうって考えた時に、もう一回レーベルと組むのもありかもしれないという話になったんです。バンドとして15年やってきて、音楽はもちろんなんだけど、活動の方針にしても意外に凝り固まってきたところもあると思うので。そういうところで、いろいろなアイデアを少し俯瞰で見て意見を出してくれる人がいると助かるなって考えたんです。実際、今回のEP制作にあたってもいろいろ意見をもらったし。それは自分達から求めたことでもあったわけで。

──どんな意見をもらったんですか?

生形:今回、3曲だけアレンジャーさんを入れてるんですよ。

──なるほど。アレンジャーを入れたのは、どの曲ですか?

生形:3曲目の「Will」と4曲目の「Dear Future」と5曲目の「Freedom」です。

▲生形真一(G)
──おー、そうなんですね。それは興味深い。それについては後ほど聞かせていただきますが、その他、レーベルと組むことで、どんなことができると期待していますか?

村松:フォロワーを増やしていくという意味では、自分達だけでやっていた時よりも規模がでかいことができると思うんですよ。

生形:これまでSNSの更新から何から何まで、メンバー4人とスタッフ2人、計6人だけでやってきたんですけど、その間に時代がとにかく変わっちゃったんで。でも、メジャーレーベルならそういうノウハウも当然持ってるだろうし。

──逆に、“あれしてくれ、これしてくれ”って言われたら面倒くさくないですか(笑)?

生形:言われることはないと思うけど、言われても、自分達の意思はちゃんと伝えるんで、そこは大丈夫です。

──そうですよね。そこはすでに15年やってきているわけで。

生形:そうそう。

──ところで、今回のEPの、もう1つのトピックとしては、フィジカル作品としては、11thアルバム『ANSWER』から2年半ぶりのリリースになるのですが、その2年半の間には、とが久しぶりに新作をリリースするという、生形さんと村松さんによるナッシングス以外の活動もありました。その活動がその後のナッシングスの活動に何か影響を与えた、なんてことはあるんでしょうか?

生形:俺はありますね。でも、それは逆もあるんですよね。ナッシングスの活動がELLEGARDENに与える影響もあって、そのお互いの刺激はすごくあります。“ここで経験したことを持ち帰らなきゃ”ってどっちでも思います。

村松:僕もそう。どっちも自分の中で影響し合ってる感じですね。でも、本当に一緒なんですけどね。やっていることはナッシングスでもABSTRACT MASHでも基本変わらない。中身はバンドだから。どっちが上とか下とかも、音楽だからない。愛情を注いで、育てて、いい曲やって、いいライブしてっていうのを本気でやるだけなんですけど、やってる人が違うから違うものになってくっていう。そんなふうに自分の中の蓄えとして積み上がってきたものをまたナッシングスで出す。で、ABSTRACT MASHに戻ったら、ナッシングスで蓄えたものが自然と出る、みたいな。それをより濃密にしたいという思いはありますけど、じゃないと、ウブ(生形)がELLEGARDENですごい経験してくるのがわかってるし、ひなっち(日向秀和/B)はもともとがあるし、セッションもやってるし。オニィ(大喜多崇規/Dr)にはオニィのフィールドがある。それぞれに素晴らしいミュージシャンだから、中途半端にやってたらね。やっぱり、負けないくらい濃いものを出さないと、という気持ちと言うんですかね。

生形:やっぱり、得るものはすごく多いですよ。他の場所に行くっていうのは。

──ちょっと変な質問しますね。セッションはともかく、ナッシングス以外のバンドをやることに嫉妬心って湧きませんか(笑)?

生形:それはないけど、顔が違うなっていうのはすごく感じます。それは、全員に。例えばストレイテナーをやってるとき、ひなっちはやっぱりストレイテナーの顔をしているんですよ。顔って言うか。

村松:空気が違う。

生形:うん、違うよね。出してる空気が。あれは何なんだろ? 不思議ですよ。もちろん、一緒にいる人が違うから変わるんだろうけど。

──違う顔をしているならいいんですけど、“俺とやる時より、いい顔している。悔しい”みたいな気持ちになることはありませんか?

村松:でも、輝いてるのはうれしいですよ、純粋に。“カッコいいじゃん。やっぱりカッコいいことをやるんだ、どこに行っても”っていう気持ちにはなるけど。

──嫉妬することはない、と。

生形:逆に言うと、ELLEGARDENに行ってる時ってナッシングスの生形として行ってるという気持もどこかしらにあるんですよ。その一方でナッシングスに来てる時は、ELLEGARDENの生形として来ている部分もある…言ってる意味、わかります(笑)? だから、カッコ悪いことはできないっていう。

──なるほど。そうか。そのカッコいい姿を独り占めしたいみたいな気持ちにはならないわけですね(笑)。

村松:うん、言ってる意味はわかりますけどね(笑)。

──すみません、余談でした。でも、「15年やってきて、やっとしっかりとバンドになれました」って、村松さん、武道館で言っていたじゃないですか。しかも、「Dear Future」では、“♪未来も夢も希望も 愛で埋め尽くして”と歌っている。メンバーに対する愛はそれぞれに、以前よりも深まっていると思うんですよ。

村松:それはやっぱり所属事務所から独立してからの5年は、そこまでの10年と違った意味での濃さがありましたからね。お互いにお互いのバンド人生を支え合うというか、捧げ合うことで、今は成り立っているバンドなんで、そこに応えたい気持ちって言うんですかね。メンバーがやろうとしてること以上のものを提示していきたいし、逆に提示してくれるし、みたいな関係性の奥にあるものっていうのは、「Dear Future」みたいなことだよなとは思うんですよね。

■今回のギタリストとしての目標はカッコいいリフ■そういう曲で埋め尽くしたかったんです

──そんな「Dear Future」も含む、今回の『BRIGHTNESS』。最初はどんな作品にしようと考えたのでしょうか?

生形:最初はアルバムを作るつもりだったんですけど、アレンジに時間を掛けすぎちゃって。でも、ツアーは決まっていたから、だったら、今ある7曲をとにかくいいものにしようってことになったんです。

──最初、アルバムとして作り始めたとき、作風や方向性はどんなふうに考えていましたか?

生形:何かあったっけ?

村松:デモを作ってきて、それに対して全員で、「これいいね」「あれいいね」って言いながら選りすぐったものを1曲1曲、時間と熱を注いでみたいな感じでしたね。

生形:結果、どこにも隙がないものになったという感覚はあります。

──歌詞は1曲1曲、違うテーマを歌いながら、『BRIGHTNESS』というタイトルに集約される全7曲共通の世界観があると思うのですが、それはその時のバンドの気持ちや思いが表れているんですよね?

村松:本当にそうですね。『BRIGHTNESS』というタイトルは全7曲が出揃ってから、わかりやすく名前を付けるならって考えたものです。やっぱり15年一緒にやってきたバンドの中身の濃さみたいなことなのかな。歌詞は俺達二人が書いているんですけど、メンバー全員が同じ気持ちだろうなっていう認識で書いてはいて。たとえば、ひなっちが自分で書いた曲に対して、曲を書きながら思い浮かんだ言葉を「歌詞を書く参考に」ってくれることもあって。それを基に歌詞を書いたり、歌いやすいように直したりもするんですけど、ひなっちが書いた言葉に何の違和感もないと言うか。むしろ、“こんなふうに歌いたかった”と思えるんで、これが今のバンドの意思なんでしょうね。

▲生形真一(G)
──全体の方向性があったわけではなくて、1曲1曲を仕上げていったそうですが、サウンド面では複雑なアンサンブルではなく、と言ってシンプルというわけでもなく、有機的な絡み合いというところと、あともう1つ、 デジタルな音色とバンドサウンドの融合を推し進めるというテーマがあったように感じましたが。

村松:デジタルな音色という意味では、アレンジャーさんに入ってもらった曲があるじゃないですか。それでちょっとシンセの音色が更新されたところはあるんですよね。

生形:そうですね。アレンジャーさんに一番やってもらったのはシンセだったんですよ。

村松:シンセの音色の移り変わりって、今、めちゃくちゃ早いじゃないですか。どんどん新しくなっていて、自分達ではなかなか更新できていないところを少しお願いしたかったっていうのもあって。その効果はあったと思います。

──つまりナッシングスのサウンドにシンセはもう欠かせないものだと?

生形:前からそうなんですけど、今までは自分達のアイデアをマニピュレーターに伝えて、作ってもらってたんです。ただ、今まではあくまでもバンドサウンドの中の補助としてのシンセだったけど、今回はもうちょっと前に出てますね。

──「Bright Night」ではリフっぽいフレーズを奏でていたり、「Dear Future」ではオーケストラヒットっぽい音が入っていたり。

生形:「Dear Future」の、あれはまさにアレンジャーさんのアイデアですよ。

──なぜ、シンセを前に出そうと?

生形:今の音楽って割とそういうものが主流じゃないですか。しかも、俺らも実は昔からそういうことをやっていて。その割合をちょっと増やしてみようか、ぐらいのことですね。でも、4人で話し合って、そうしたわけではなくて、自然にそうなってましたね。

──シンセを前に出したせいなのか、生形さんのギターも歪みも使いつつ、デジタルっぽい音色を奏でることが増えた印象がありましたが。

生形:デジタル? どの曲だろ?

村松:「Freedom」ですかね。

──そうですね。あと、「Will」と「Dear Future」のイントロのリフですね。

生形:「Freedom」のリフはファズを掛けたギターにちょっとシンセを重ねているんですけど、ほとんどギターの音なんですよ。でも、それもけっこう昔からやっていて。

──はい。それが今回、より前に出てきた印象がありました。

生形:毎回、ギタリストとしていろいろな目標を考えるんですけど、今回は、カッコいいリフを作りたいというのがあって、そういう曲で埋め尽くしたかったんです。

──シンセっぽいと言うか、デジタルっぽい音色を奏でていることも、カッコいいリフを作る方法の1つだったと?

生形:そうですね。ただ、俺の感覚としては、全然デジタルじゃないんですけどね。だって、めちゃくちゃアナログなファズで音を出しているから(笑)。きっと狙ってる場所は一緒なんだと思います。ただ、音の出し方が違うだけで。「Will」のイントロもファズだから、ファズの音をシンセとして捉えられているってことですよね。

──なるほど、そういうことですね。2022年3月に配信リリースしたシングル「Fuel」ではワーミーとオクターバーを使って、デジタルっぽい音色を出していたそうですが、今回はそういう音作りはしていない?

生形:今回、ワーミーはあんまり使ってないかな。なんか最近使いすぎてるかなと思って。ライブをやる時にわかるんですよ、なんか使いすぎてるなって。それで、今回は減らしたのかもしれない。あんまり憶えてないですけど、今回のようにファズでそういう音色を出すってことはけっこう前からしていて、今回はそれがリフとして前に出てくるから、際立って聴こえるんでしょうね。

▲村松拓(Vo)
──それこそカッコいいリフを作ったからこそじゃないですか。ところで、今回も生形さんと日向さんがデモを作って、バンドでアレンジするというやり方で?

生形:そうです。アレンジは4人でやりました。

──デモからガラッと変わることも多いですよね?

生形:全然変わります。俺、基本ワンコーラスしか作らないから。

──劇的に変わった曲はありましたか?

生形:それを言ったら、「Will」かな。

村松:うん、だいぶ変わった。

生形:壮大になりました。もともとはアコースティックギターで、サビまで弾き語りだったんですよ。そこからコードもけっこう変えたし、アレンジャーさんが入って、さらにシンセも加わって、一番変わったかな。

村松:ナッシングスのロックバラードになる予定だったんですよ。

──あぁ、なるほど。バラードとアンセムが1つになったような曲ですよね。武道館で生形さんは「最近、人と人との繋がりが希薄になったと感じてる」っておっしゃっていたんですけど、デモを元にバンドで作り上げるという方法はその発言と繋がるのかなと思って。最近は、メンバーの一人がアレンジまで考えて、他のメンバーはその通りに演奏するというバンドも多いじゃないですか。自分たちはそうじゃないぞっていう思いもあるんでしょうか?

生形:武道館で言ったのは、世の中的な話だったんですけど、そういうところに繋がるところもありますね。俺が一人で作ったものを、「歌を入れておいて」って拓(村松)に送って、拓が部屋で歌を録って、俺のところに返してくれてっていうのが一番楽かもしれない。でも、俺らはデモを4人集まって、まず聴きながら、「どれがいいか」って決めて、それから4人でスタジオに入って、「こうしたら」「ああしたら」ってアレンジするんですけど、何気ないメンバーの言葉が妙に引っかかったりして。それが忘れられなくて、「やっぱりこうしよう」って最後に変えたりっていう。それが俺はすごく大事だなって思うんですよ。それってやっぱり面倒くさいじゃないですか。みんなで日にちを決めて集まんなきゃいけないし。

──面倒くさいけど、その面倒くささを超えて得るものがあると?

生形:そうですね。俺らの時代はそれが普通だった。ただね、もちろん今の時代にもいい部分もあるから、俺らはそういうやり取りもしてるんです。だから、両方のいいとこ取りって感じかな。ただ、アレンジとか、「ここは絶対4人でやるべきだ」って核となる大事なところは、4人でやってますね、完全に。

■熱量が想像を超えていくライブってある■そんなツアーにしたいですね

──さて、「Bright Night」「Dear Future」「Freedom」というナッシングらしいロックナンバーもある一方で、さっき話に出た「Will」のように、ちょっとこれまでと違う曲も聴どころではないかと思うのですが、たとえば1曲目の「Blaze of Color」はアリーナロック級のスケールを感じさせる曲ですね。

村松:そういうふうに言ってもらえるとうれしいです。ぶっといですよね。これをできるロックバンドもなかなかいないんじゃないかな。うちにはあんまりないタイプの曲ですね。サビになっても実はそんなに開けないって言うか、サビのキーもそんな高くなくて、同じリフレインをメロディがぶち抜いていくっていう。これ、ひなっちが持ってきたんです。

──ティンパニの使い方も効果的で。あれは実際に叩いているんですか?

生形:オニィが叩いたものに、エンジニアのアイデアでサンプルの音源を混ぜたんですよ。

──そういう曲もあるかと思えば、6曲目の「Challengers」はリズミカルなメロディがおもしろい。

生形:言葉の数がすごいですよね。

──パートごとに変わるドラムのビートも聴きどころですね。

生形:そうそう。ビートはギターのリズムも含め、みんなでいろいろ考えました。メロディはもともとデモの時からあったので、アレンジではリズムの置き方を考えることに一番時間を掛けたかな。

村松:これもひなっちが持ってきたんですよ。

生形:でも、拓ちゃん、昔から得意だよね。16ビートに歌をはめ込むの。

村松:そうだね。たぶん導いてくれたのかもしれないですね。ひなっちが僕の得意のところを。

▲村松拓(Vo)
──そして、7曲目の「SUNRISE」。ちょっと言葉は違うのかもしれないですけど、AOR的な曲を、シンプルなバンドサウンドに落とし込んだという印象があって。こういう曲こそ、凝ろうと思えば、凝ることができるんじゃないかと思うんですけど、それをシンプルなバンドサウンドに落とし込んだところがおもしろいと僕は思いました。

生形:その解釈の仕方はおもしろいな。確かに、そうかもしれない。バンドサンドにしようって最後になったんですよ。AORかどうかはさておき、'80sとかね。そういうふうにも全然行ける曲だったんで。

村松:けっこう二転三転して、単純に良きバラードにしようっていう時もあったんですけどね、逆に。うちのバンドってバランスを取りながら、どこがド真ん中なのか考えるのがすごい上手で。それは何回も試すからなんでしょうけど、敢えてドラムをめっちゃラウドに叩いてみるとか含め、試行錯誤の結果、ここに辿りついたった感じなんですよね。

生形:無機質なギターの16ビートが鳴ってたりとか、ベースがちょっとファンキーだったりとか、ある意味、すごくうちらっぽい曲だなとは思うんですよ。

──さっき生形さんは、「カッコいいリフを作ることがギタリストとして今回の目標だった」とおっしゃっていましたが、今回はギターソロを弾くことにはあまりこだわっていないようですね。

生形:そうですね。「Will」だけ? いや、「SUNRISE」の真ん中にちょっとあるか。

──「Blaze of Color」の途中にもちょっとあります。

生形:でも、それもね、ライブをやると思うんですよ。“ソロが多いな”って。

▲生形真一(G)
──ライブの中でいろいろな気づきがあるんですね。

生形:気づきますね。曲調にしても、“こういう曲が足りない”とか、“ここでこういう曲があったらめちゃくちゃいいのに”とか。

──ナッシングスはすでにいろいろなタイプの曲をレパートリーとして持っているじゃないですか。足りない曲なんてありますか?

生形:「Midnight Train」って曲が昔から好きなんですよ。そういう4つ打ちの、ちょっとおしゃれな曲がもうちょっとあったらいいなって思いますね。でも、なかなかできないんですよね。

村松:そうだね。メッセージ云々ではなく、横に乗らせる曲があるといいよね。うちのリズム隊、そういうの得意だから。

生形:得意だよね。

村松:そこをもっとフィーチャーして、活かす曲があってもいいかも。

生形:それは常に考えているんだけどね。あと、「Brotherhood」。あの曲は俺にとってはおしゃれに聴こえるんだけど、そういう曲をもっと作れるようになりたいですね。でも、そういう曲を作ろうとしても、なんかゴツくなるんですよね。

村松:それでも全然カッコいいからいいけどね。

──今回、村松さんはボーカリストとして、どんな挑戦がありましたか?

村松:新しい曲だから、気持ち的には毎回挑戦なんですけど、そうだな。その時の感情で一発歌ってOKって場合もよくあるんですけど、今回それは避けました。言葉をどうはめるかも含め、明確に歌い方を決めて、作品として感情表現ができるように歌を作り込んでからレコーディングに臨もうって決めたんです。そこは自分的にクリアできたというか、いい効果があったと思います。ナッシングスは、そこを洗練させていくことで、バンドのランクも絶対上がると思うんですよ。やっぱり、初見の人達も含めてライブに来てくれた人達にも響くものであってほしいから。もちろん、その日、ぶわーって溢れ出てきた感情が良かったりもするんですけど、より伝わるものとして、まず作り上げたいっていう気持ちがありましたね。

──冒頭で言っていた「生まれ変わった姿を見せられるEP」であることを裏付けるお話をいろいろ聞かせていただきましたが、ご自身でもかなり手応えがあるのではないでしょうか?

生形:すごくうちらっぽいものできたと思います。7曲いろいろだけど、うちらの全部が入ってるんじゃないかな。

村松:そうね。繰り返し聴けるし。けっこう聴いてるよね?

生形:うん、なんか聴いちゃう(笑)。

村松:作品の良し悪しって、完成してから自分で聴くかどうかにあって。今回はメンバー全員がけっこう聴いてるんですよ。そこも含め、いい作品ができたって実感はあるかな。なんか、めっちゃ好きなんですよ(笑)。

──そんな『BRIGHTNESS』をひっさげて、5月19日からツアーが始まるわけですが、今回はワンマンツアーですね。

生形:めっちゃ楽しみです。

村松:純粋に早く演奏したいし、一緒に歌いたいです。

生形:ワンマンで回るのってすごく久しぶりなんですよ。っていうか、リリースツアーそのものが久々なんで。

村松:コロナ禍以降、初のワンマンツアーなのかな。

生形:そうだね。

──EP収録の7曲を中心にセットリストを組むことになると思うのですが。

生形:今回の7曲はやると思います。ただ、7曲だから、逆に言うと、残りの曲はいろいろ選べるて、それが楽しみかな。いろいろな組み合わせができるだろうし、場所によって変えられるだろうし。

──どんなツアーにしたいと考えていますか?

村松:メンバーみんなの話を聞いてみないとわからないけど、個人的にはイケイケで行きたいですね。バンバン飛んでこい!みたいなライブがしたいです。小さいハコも含め、今回はライブハウスを回っていくツアーなんで、そういう距離感で新曲をやるのも楽しみだし、歌わせるのも楽しみ。熱量が想像を超えていくようなライブってあるんですよ。そういうライブができると、“いいツアーしてんな”みたいに思えるし、バンドとしてけっこう成長していけるんで、そんなツアーにしたいですね。

──生形さんもツアーの意気込みを。

生形:俺も一緒ですよ。今の発言でばっちりだと思います。

取材・文◎山口智男
撮影◎TOYO

■EP『BRIGHTNESS』

2024年5月15日(水)リリース
購入・各サブスクリプション:https://ncis.lnk.to/2024EP
【初回限定盤 (CD+DVD)】WPZL-32124~5 ¥3,960(税込)
【通常盤 (CDのみ)】WPCL-13557 ¥2,200(税込)
▼CD収録曲
01. Blaze of Color
02. Bright Night
03. Will
04. Dear Future
05. Freedom
06. Challengers
07. SUNRISE
▼初回限定盤DVD
<Live on November 15th 2022>
01. November 15th
02. Spirit Inspiration
03. 白昼
04. Idols
05. Spiralbreak
06. ツバメクリムゾン
07. 9 Beat
08. Brotherhood
09. Midnight Train
10. Walk
11. Damage
12. Fuel
13. Milestone
14. In Future
15. Like a Shooting Star
16. Beginning
17. Out of Control
18. The Silver Sun Rise Up High

●先着購入特典
・Amazon.co.jp:メガジャケ
・楽天BOOKS:アクリルキーホルダー
・セブンネットショッピング:缶バッジ
・WARNER MUSIC STORE、その他CDショップ:A4クリアファイル
※一部取扱いのない店舗もございます
※特典はなくなり次第終了とさせていただきます
※特典の有無に関するお問い合わせは直接各店舗へご確認下さい

■<Nothing's Carved In Stone「BRIGHTNESS TOUR」>

5月19日(日) 神奈川・Yokohama Bay Hall
5月25日(土) 香川・高松MONSTER
5月26日(日) 愛媛・松⼭WstudioRED
6月01日(土) 福岡・DRUM LOGOS
6月02日(日) 長崎・DRUM Be-7
6月08日(土) 鳥取・米子laughs
6月09日(日) 岡山・CRAZYMAMA KINGDOM
6月15日(土) 愛知・名古屋DIAMOND HALL
6月16日(日) 山梨・甲府CONVICTION
6月22日(土) 長野・長野CLUB JUNK BOX
6月23日(日) 石川・⾦沢EIGHT HALL
6月28日(金) 北海道・札幌PENNY LANE24
6月30日(日) 宮城・仙台Rensa
7月13日(土) 大阪・GORILLA HALL OSAKA
7月15日(月/祝) 東京・Zepp DiverCity(TOKYO)
▼チケット
スタンディング:5,300円(税込)
スタンディング[学割]:3,800円(税込)
※全箇所ワンマン公演
※公演詳細はオフィシャルHPをご覧ください
・チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/ncis/
・イープラス:https://eplus.jp/ncis/
・ローソンチケット:https://l-tike.com/ncis

■Nothing's Carved In Stone 直筆サイン入りチェキ プレゼントキャンペーン概要

【応募資格】
・日本国内にお住まいの方
・X (Twitter)アカウントをお持ちの方
・BARKS編集部 X (Twitter)アカウントから投稿される応募用のポストをキャンペーン期間内にリポストした方
※必ずご自身のアカウントを“公開”にした状態でご参加ください。アカウントが非公開の場合は参加とみなされません。
※ダイレクトメッセージを受信拒否設定している場合、参加とみなされません。
【賞品名・当選人数】
・Nothing's Carved In Stone 村松拓 × 生形真一 直筆サイン入りチェキ
・1名様
【応募方法】
1. BARKS編集部 X (Twitter)アカウント「@barks_news」をフォローしてください。
2. BARKS編集部 X (Twitter)アカウントから下記キャンペーン期間中に投稿されるキャンペーン応募用の投稿をリポストしてください。
3. 上記で応募は完了となります。
※フォローを外すと応募権利がなくなりますのでご注意下さい。
【応募期間】
2024年5月15日(水)~2024年6月15日(土)23:59まで
※上記期間内にされたリポストが応募対象です。
【当選発表】
・X (Twitter) DMにて当選のご連絡と専用フォームのURLをお送り致します。
・専用フォームで必要事項を入力ください。
【賞品発送】
・配送は国内のみ、賞品は2024年7月中旬に発送予定です。
※やむを得ない事情により賞品の発送が若干遅れる場合がありますので予めご了承ください。
※ 以下のような場合には、ご当選の権利を無効とさせていただきます。
1. ご住所入力の不備により、賞品がお届けできない場合。
2. ご不在などにより、運送会社での保有期間を超えて賞品をお届けできなかった場合。
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