今年から「年収130万円」でパートを始める予定ですが、「106万円」で扶養を外れる場合もあるって本当ですか? 手取りを減らしたくないのですが、年収はいくらまでに抑えるべきでしょうか…?

【103万円の壁】働いている本人に所得税が課税されるライン

103万円の壁は、働いている本人に所得税が課税されるラインです。ただし、103万円を超えると所得税が課税されるものの、課税額は数千円程度と大きな金額にはなりません。

2018年以前は、年収103万円が配偶者控除を受けられるかのラインでした。現在は、配偶者特別控除が創設されており、103万円を超えても150万円までなら配偶者の所得税を減らせます。そのため、現在は、103万円の壁について気にする必要は小さくなったといえます。

【106万円の壁】社会保険料を支払う目安となるライン

年収106万円を超えると、社会保険加入の義務が発生する目安のラインになります。目安というのは、社会保険に加入する義務が発生するのは、年収ではなく毎月の働き方や勤務先の規模などが影響するからです。

社会保険料を払う義務が発生するのは、次の要件を満たした場合です。

__・週の所定労働時間が20時間以上30時間未満である
・所定内賃金が月額8万8000円以上である
・2ヶ月を超える雇用の見込みがある
・学生ではない
・勤務先の社会保険被保険者数が101人以上の企業である__

これらの条件を満たすと、社会保険に加入しなければならなくなります。なお、2024年10月から勤務先の社会保険被保険者数が、51人以上の企業に変更されるため注意が必要です。

年収106万円程度になると、月1万3000円(年間15万6000円)ほどの保険料が発生します。年間15万円を超える金額を払わないといけないため、106万円の壁から手取りに大きな影響が出てきます。

【130万円の壁】社会保険上の扶養から外れるライン

年収130万円を超えると、配偶者の社会保険の扶養から外れます。

社会保険の扶養から外れると、国民健康保険料・国民年金や社会保険料を払わなければなりません。年収130万円の壁は106万円の壁と異なり全ての人が対象となるため、確実に手取りが減ってしまいます。

年収130万円程度になると、月1万6000円(年間19万2000円)ほどの保険料が発生します。

年収130万円の壁に該当してしまうと手取りがかなり減ってしまうため、配偶者の扶養に入ったまま収入を得たい人は、年収130万円を超えないように調整しましょう。掛け持ちしている場合、すべての勤務先収入の合計で130万円を超えたら扶養から外れるため、注意が必要です。

まとめ

子どもが独立し、空いた時間にパートで働こうと考えている人は多いのではないでしょうか。

パートで働くときには、年収の壁に気をつけておかなければなりません。本記事では、主な年収の壁として「103万円」「106万円」「130万円」を解説しました。勤務先や勤務内容によりますが、年収106万円以上の壁に該当すると、手取りが大きく減ってしまうおそれもあります。

自分がどの壁に該当するのか、手取りは減らしたくないのかどうかなどによって働き方が変わります。年収の壁を理解して、自分にとって一番いい働き方を考えることが大切です。

出典

厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト 従業員数100人以下の事業主のみなさま

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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