映画界のポリコレ風刺劇に主演したレア・セドゥ「時に不適切だけど、映画でユーモラスに語ることも必要」【第77回カンヌ国際映画祭】

仲良しのラファエル・クナールとレア・セドゥ - 映画『ザ・セカンド・アクト(英題)』カンヌフォトコールにて - Daniele Venturelli / WireImage / Getty Images

現地時間15日、第77回カンヌ国際映画祭でフランス映画『ザ・セカンド・アクト(英題) / The Second Act』 (アウト・オブ・コンペティション部門)の公式会見が行われた。主演のレア・セドゥ(『007』シリーズ)はポリコレを含め、現在の映画界におけるあらゆる事象から俳優という職業まで風刺したこのコメディー映画について、「時には不適切だけど、そうしたことを映画でユーモラスに語ることも必要だと思う」と語った。

本作は、殺人タイヤを主人公にした『ラバー』や、自身の鹿革ジャケットを愛するあまり、この世からその他のジャケットとそれを着る者たちを抹殺しようとする男を描いた『ディアスキン 鹿革の殺人鬼』などで知られる鬼才カンタン・デュピュー監督の新作。レアに加えて『ティエリー・トグルドーの憂鬱』のヴァンサン・ランドン、『グッバイ・ゴダール!』のルイ・ガレル、『キャメラを止めるな!』のラファエル・クナールらが出演しており、“陳腐な映画の役柄を演じている俳優たち”を演じている。全てを笑いに変えるスタイルに気分を害する人もいそうだが、構成としてはよく練られており、フィクションと“現実”の間をシームレスに行き来するさまは見ごたえがある。

フランスでは#MeToo運動が今盛り上がりを見せており、「女性たちが声を上げることができるのは素晴らしいこと。その変化は今まさに起こっていて、この映画はそのアイデアでも遊んでいる」と切り出したレア。「わたしが気に入っているのは、この映画がAIをはじめ、今世界で起こっている変化について素晴らしいユーモアのセンスで語っているところ。もちろん、それは時には不適切よ。でも、軽いタッチになっていると信じている。#MeToo運動はとても重要。それでも映画の中でそれをユーモラスに語ることもまた、必要だと思う」と述べていた。(編集部・市川遥)

第77回カンヌ国際映画祭は現地時間5月25日まで開催

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