昭和の東海道本線工事では“芦ノ湖3杯分”失われる…リニア工事中の町で井戸等の水位低下 市長「大変心配」

リニア中央新幹線のトンネル掘削工事が行われている岐阜県瑞浪(みずなみ)市で、2024年2月下旬ごろから、井戸やため池などの水位が相次いで低下していることがわかりました。

山岳トンネルの建設は“地下水”との闘いといわれるほど湧水がでてきますが、トンネル工事の湧水で井戸水の水位が低下することは、以前からありました。

静岡県のホームページによりますと、昭和初期に完成した東海道本線の熱海と函南(かんなみ)の間にある「丹那(たんな)トンネル」の工事(1918年~1934年)では、大量のトンネル湧水が発生し、芦ノ湖3杯分・6億立方メートルともいわれる水が失われたということです。

その結果、山葵栽培、水田、飲料水として使われていた水が枯れ、農民6000人にも影響が出たといいます。当時、補償もされました。

今回の地下水の水位低下について、岐阜県瑞浪市の水野光二市長は「次第に拡大する井戸枯れなどの事態に大変心配している。これから田植えのシーズンも迎え、地元住民の生活の保障を最優先し、至急今回の事態の原因を分析して恒久的対策をしてほしい」と話しています。

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