引きこもりを叱責されて関係悪化 父親の腹部にナイフ複数回…殺人未遂の被告男「刺すしぐさ見せただけ」と殺意を否定 鹿児島地裁初公判

 同居する父親を刃物で刺し殺害しようとしたとして、殺人未遂の罪に問われた鹿児島市田上2丁目、無職男(55)は15日、鹿児島地裁(小泉満理子裁判長)の裁判員裁判初公判で「殺すつもりはなかった」と起訴内容を否認した。

 検察側は冒頭陳述で、引きこもり状態だった被告が父親に繰り返し叱責(しっせき)され、約10年間にわたって親子関係が悪化したことを重視。腹部を複数回刺しており「明確な殺意があった」と指摘した。

 弁護側は「父親をひるませようと刃物を刺すしぐさを見せただけで、腹部を狙ったわけではない」と述べ、傷害罪にとどまると主張した。

 起訴状によると、被告は2023年7月7日午後10時55分ごろ、殺意を持って父親=当時(77)=の腹部や左腕を食卓用ナイフで複数回刺し、全治約1カ月のけがを負わせたとされる。

© 株式会社南日本新聞社