『シティーハンター』快挙に導いた鈴木亮平が“無双状態”のワケ、“話題のグループ”も参戦で作品の注目度も上昇

コミカルな役から極道者まで幅広い役を演じ、その実力を評価されている俳優・鈴木亮平。

その彼が主演を務めたNetflix映画『シティーハンター』が世界中で賞賛されているという。「週間グローバルTOP10(非英語映画)」(2024年4月22日~28日)で初登場1位を達成。Netflix公式HPによると、世界52の国と地域で週間TOP10入りを果たしたという快挙も。

同作は『シティーハンター』は、1985年に「週刊少年ジャンプ」で連載開始。主人公の冴羽獠は、新宿を拠点に活動する超一流のスイーパー(始末屋)だが、同時に「新宿の種馬」「恐怖のもっこり男」の異名を持つ無類の女好き。

冴羽を演じた鈴木は「素晴らしいニュースに心が震えています。ともに戦ったスタッフ、共演者、世界中の観客の皆様に心から感謝です」と喜びのコメントを発表した。

『シティーハンター』も大人気マンガなだけに、ファンの期待値は高かった。にもかかわらず、鈴木がイメージにピッタリと好評な理由は何か。映画評論家の前田有一氏は、かつて本誌の取材に鈴木が2013年、30歳のときに主演した映画『HK 変態仮面』が大きいと指摘していた。鈴木が現在、人気漫画の実写化で“無双状態”となった原点に、この映画があるという。

「『HK 変態仮面』の原作は、『週刊少年ジャンプ』で連載された『究極!!変態仮面』です。パンティを顔にかぶった、ほぼ全裸のヒーローを、鈴木は代役なしで演じきり、興行収入2億円というヒットを記録しました。これが、その後の大きな飛躍につながったんです。

男性人気の高いマンガでしたが、『実写化できるわけがない』と思われていたものを、みごとに演じきった。原作に忠実に、ボディビルで体を鍛えてね。2018年のNHK大河ドラマ『西郷(せご)どん』でも、でっぷり太った体を作りました。2017年のドラマ『銭形警部』(日本テレビ系・WOWOW・Hulu)にしてもそうです。真剣に役に取り組む姿をみんなが知っているんですよ。

日本の俳優は1作あたりの単価が安いので、どうしても仕事をたくさん引き受けなくてはならず、ひとつひとつの役を吟味している暇がないんです。質より量を受けないと生きていけない。

でも、鈴木亮平は、1作1作きちんと役作りするプロ意識を持っています。ハリウッドだと、ロバート・デ・ニーロが役によって体重を数十kg増減させるのが有名で、『デ・ニーロ・アプローチ』と呼ばれます。それを日本でやっている、稀有な役者です。その点が評価されているので、ネットでも彼が叩かれることはないですよね」

さらにこの快挙を加速させたのが、振付師・akane氏がプロデュースするダンスグループの「アバンギャルディ」だ。黒のおかっぱ頭と謎の制服に身を包み、一糸乱れぬ踊りで日本ばかりか世界中でも人気者となっている。

2023年にはアメリカで人気オーディション番組に出場し話題に。SNSの総フォロワー数は320万を超え、CMにも引っ張りだことなっている。5月からは日本全国5都市でツアーも行っている。

その人気ダンスグループと鈴木亮平が、『シティーハンター』のエンディング曲「Get Wild Continual」(TM NETWORK)に合わせて踊る動画「ゲワイダンス」もTikTokなどで1500万回以上も再生されるなど大バズリ中だ。

「鈴木亮平は若くしてあらゆる役をこなせると、評価が高いんです。一方、アバンギャルディは若者から、しかも世界中から絶大な支持を得ています。人気、実力とも兼ね備えた彼らがコンビを組めば、大きな話題になることは当たり前です」(芸能記者)

『シティーハンター』の大ヒットは、必然だったようだ。

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