元県警サイバー犯罪捜査官が転身 高岡の木村さん、ITコンサル起業 経験生かし企業、個人守る

サイバー犯罪防止へ意欲を示す木村さん=高岡市役所

 高岡市出身で元県警サイバー犯罪捜査官の木村鷹弘さん(36)が、ITコンサルティング会社を起業した。全国的にサイバー犯罪が急増する中、6年間の捜査官経験を生かして、企業や個人を問わず個別の条件に即した伴走型支援を手掛けて被害減少に貢献する。

 木村さんは防衛大電気・電子工学科の卒業研究でマイコンプログラミングに取り組んだことをきっかけに

IT業界に関心を持ち、海上自衛隊幹部候補生学校を経て、東京や神奈川のIT企業でエンジニアとして勤務した。

 2017年に富山にUターンしたことを機に自身の経験を生かしたいと県警のサイバー犯罪捜査官に応募し、18年度から23年度まで捜査官としてデータ分析などに携わった。勤務の中で、被害者から「自分がやられるとは思っていなかった」との声を多く聞き、一人一人に寄り添う必要があると感じて、3月に県警を退職し、4月19日に高岡市で「KMRクリエィティブスタジオ」を起業した。

  ●スマホ教室も開催

 会社では、企業や個人宅に出向いてセキュリティー対策やなりすましメールの見分け方などを助言したり、セキュリティールールを策定したりする。併せてデジタル化による業務改善やスマホ教室も開催し、情報リテラシーの向上に努める。

 木村さんは将来的にはインターネットドクターとして全国を回りたいとし「一人でも多く、被害に遭う人を減らすため、隅々までフォローしたい」と話した。

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