【巨人】堀田賢慎はなぜ勝てる? 球速上がらずもなぜか抑える〝理由〟を名伯楽が分析

お立ち台の巨人・堀田

どうして勝てるのか――。巨人の5年目右腕・堀田賢慎投手(22)が15日のDeNA戦(福井)に先発し、6回2安打無失点の好投。4―0の零封勝利に貢献し、先発として2連勝で今季3勝目を飾った。

これで北陸遠征も2連勝で終え、首位をキープした阿部監督は堀田について「球種も少ないし、(勝てるのは)何でだろうなと思って、逆に。(直球の)スピードも140、41、42(キロ)でも抑えるからね。良い意味で不思議な投手だなと。相手も打てそうで打てないんじゃないかな」と驚きを隠さなかった。

開幕ローテに入ったグリフィンとメンデスが不調のため、白羽の矢を立てられたのが堀田だった。右腕は「ほかに先発としていいピッチャーがたくさんいる。油断してすぐ代わるというところもあると思う」と常に危機感を持ち合わせる。

1年目の2020年4月に右ヒジのトミー・ジョン手術を受け、育成落ちも経験した。どん底からはい上がり、昨オフには台湾でのウインターリーグで自己最速の157キロもマーク。しかし、今季の最速は149キロで球速が上がらず、指揮官と同じく堀田本人も納得していない。

それでも結果を残せるのはなぜなのか…。名伯楽として知られる久保巡回投手コーチは堀田を「もはや外国人の代役じゃない」と断言すると、球速について「ボールが遅くても抑えられればいい。堀田の腕の振りとフォームのダイナミックさにバッターが差し込まれている」と分析。問題なしを強調した上で「球速はもう少ししたら、どこかのタイミングでいい体の使い方ができて一気に上がる。今のまま成績がついてくれば自信を持って思い切って自分がやりたいことに近づける」と太鼓判を押した。

防御率も0・74まで向上。杉内投手チーフコーチは「(ローテを)外せないよね。また次も頑張ってもらいましょう」と次戦にゴーサインを出した。このままローテに定着できるか見ものとなってきた。

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