最近よく聞く「代替肉」とは?肉じゃないから「安くて健康にもよい」って本当?

そもそも代替肉って何?

「代替肉」は「植物肉」とも呼ばれ、植物を原材料として肉のような味を再現した食品です。

原材料は、大豆・小麦・えんどう豆・そら豆などが使われますが、大豆が使われることが多くなっており「大豆ミート」と呼ばれることもあります。

原材料は植物由来の物だけが使われていることもありますが、動物油脂や肉エキスなど動物性添加物が使われている場合もあります。

代替肉が注目されている理由

代替肉が注目されている理由は、健康志向や環境問題意識の高まり、人口増加、そして動物愛護や代替肉自体の味の改良が背景にあるといわれています。

農林水産省によると、アメリカの大手金融機関は、植物肉の市場規模は15年以内に約11兆円を超えると推計しています。イギリスの大手銀行も、10年以内に世界で販売される肉の約10%を代替肉が占めると試算しており、金額に換算すると約15兆円にのぼるとされているのです。

日本国内でも、複数の大手食品メーカーが「ミンチ」「ハンバーグ」「肉団子」などさまざまな代替肉商品を販売しています。

代替肉は安い?

代替肉は今のところ、従来の食肉に比べて安いとはいえません。

下記は、冷凍調理ハンバーグの価格と2つのメーカーにおける代替肉のハンバーグの100グラム当たりの価格です。なお、冷凍調理ハンバーグの価格は総務省統計局の「小売物価統計調査年報2023年」を参考に、2023年の全国平均の価格としています。

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・冷凍調理ハンバーグ:179円
・A社代替肉ハンバーグ:230円
・B社代替肉ハンバーグ:429円
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比較してみると、代替肉ハンバーグの方が価格が高いことが分かります。商品によって価格は異なりますので、例として参考にしてください。

代替肉がさらに世の中に普及し、製造のコストなどが下がればもっと価格が下がる可能性はあるかもしれません。しかし、現在は代替肉の方が従来の食肉よりも高価と考えられます。

代替肉は健康によい?

従来の食肉と比べ代替肉は、低カロリーで脂質が少なく、たんぱく質と食物繊維が豊富という特徴があります。

牛ひき肉・豚ひき肉・代替肉の100グラム当たりの成分比較は、表1の通りです。代替肉は、ある食品メーカーで販売している冷凍タイプの大豆ミートを参照しています。

表1

※筆者作成

代替肉の栄養成分は商品によって異なりますので、例として参考にしてください。これらの数値を見ると、代替肉は従来の食肉と比べたんぱく質と食物繊維が豊富で、脂質は少ない食品といえるでしょう。

代替肉は従来の食肉と栄養成分が異なり、価格は高い傾向にある

代替肉はさまざまな理由から注目を集めており、成分を見ると従来の食肉よりもたんぱく質と食物繊維が豊富で脂質は少ないことが分かります。しかし価格は今のところ高い傾向にあるようです。

価格は高くても代替肉に含まれる栄養を魅力的に感じるという方は、代替肉を取り入れてみてはいかがでしょうか。

出典

農林水産省 令和元年度 新たな種類のJAS規格調査委託事業 調査報告書 II.ルール形成・標準化による課題解決が有効な分野の分析等 2.調査結果 2.1 代替肉 2.1.1 代替肉の類型(17ページ~20ページ)
政府統計の総合窓口 e-Stat 小売物価統計調査 小売物価統計調査(動向編) 2023年 統計表 表番号1 【11】「1814 焼豚」~「1893 おでん」
文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 第2章(データ)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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