ロ中など米選挙介入の動き活発化、情報機関が見解 AI悪用懸念も

Patricia Zengerle

[ワシントン 15日 ロイター] - 米情報機関トップのヘインズ国家情報長官は15日、ロシアや中国、イランなど、非国家主体を含む外国勢力が米国の選挙に影響を及ぼそうとする動きが強まっているという認識を示した。

ヘインズ氏は上院の公聴会で、ロシアが引き続き外国勢力の中で最も活発な動きをしており、「米民主制度に対する信頼を損ない、米国内の社会政治的な分裂を悪化させ、ウクライナに対する西側諸国の支持を弱体化させることが狙い」と述べた。

ただ、ロシアの関与が疑われている2016年の米大統領選以降、介入を阻止する取り組みは大幅に改善したことも指摘した。

上院情報委員会のマーク・ワーナー委員長は、ロシアや中国、イランだけでなく、キューバやベネズエラ、イスラム過激派組織、外国のハッカー集団などが米国の政治に影響を与えようとしていると指摘。選挙介入など海外からの悪影響に対する防護壁は消失寸前まで小さくなっていると懸念を示した。

11月の大統領選を前に「ディープフェイク」を使って有権者をだますなど、人工知能(AI)が選挙にもたらすリスクへの懸念も高まっている。

民主党上院トップのシューマー院内総務など超党派議員らはこの日、高度な技術分野で米国が中国に対する優位性を維持できるよう、AI研究費として320億ドルの予算を承認するよう議会に呼びかけた。

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