仏壇製造の技を生かし杉で自作ルアー…大型魚GTやヒラマサ狙う福井の漆塗師 10キロサイズ7匹の日も

澤崎さんが自作の県産杉ルアーで釣り上げたGT=2月、フィジー(澤崎さん提供)
澤崎さんが県産杉で作り、使用した大型魚用ルアー=福井県坂井市丸岡町のサワザキ佛壇店

 福井県坂井市丸岡町の男性が県産杉でルアーを自作し、釣り人憧れの大型魚「ジャイアント・トレバリー(通称GT)」やヒラマサ釣りを楽しんでいる。ルアーは試作、実践、改良を重ねて販売商品として完成。2月にはフィジーで10キロサイズのGTを上げ、1日で7匹という成果もあった。ただ目指すはGT50キロ、ヒラマサは30キロ以上の超大物。「いつかきっと、この(県産杉)ルアーはトロフィーサイズを連れてきてくれるはず」と挑戦を続けている。

 男性は澤崎英輝さん(48)。20代から釣りを始め、2016年からキリでルアーを自作していた。県産杉は手に入れやすいことから21年から使用。浮力、防水性があり、加工がしやすく、杉は「ルアーに向いている」という。

 最初に作ったルアーは九頭竜川でのスズキ用(長さ13センチ、直径2.5センチ)。「よく釣れたので、大物を釣りたい」とGT用(長さ20センチ、直径3.5センチ)を作るようになったという。

⇒【写真】澤崎さんが作った大型魚用のルアー

 和名でロウニンアジとも呼ばれるGTは熱帯と亜熱帯海域にいる。新型コロナウイルス禍で海外に行けない時期には、GTにも使えて、能登や九州で釣れるヒラマサにも使えるルアーを「作っては釣り、作っては釣りを繰り返した」。

 本業はサワザキ佛壇店(同市)専務取締役工場長で漆塗師。ルアー作りの工程は本業の仏壇製造、リメークなどと共通するものがあるといい「思い入れがある」ものに仕上がったという。

 ルアーは海の表層を流して使い「食いついてくると音と水柱がたつ。その豪快なバイト(アタリ)が魅力」。GT釣りは例年1、2月に海外で、ヒラマサは能登や九州に赴き、狙う。

 県産杉のルアー2種類は6月にも、澤崎さんが立ち上げたメーカー「ハイパールアーズ」のオンライン店で販売する予定。価格は1万円前後でカラーも各5種類用意するという。

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