大太鼓やマリンバ…大型打楽器一式を寄贈 奈良県橿原文化会館に奈良県吹奏楽連盟 学校の吹奏楽部演奏会などで運搬の手間軽減

県吹奏楽連盟が県橿原文化会館に寄贈した大型打楽器一式とその一部を演奏する香芝北打打っ子アンサンブル=4月20日、橿原市北八木町3の県橿原文化会館(県吹奏楽連盟提供)

 奈良県吹奏楽連盟(福島秀行理事長)はこのほど、ティンパニ、マリンバ、コンサートチャイムなど総額約570万円相当の大型打楽器一式を新規購入し、県橿原文化会館(橿原市北八木町3丁目)に寄贈した。各学校の吹奏楽部や市民吹奏楽団などが、コンサートを開いたりコンクールに出場する際に大きな負担となっている打楽器運搬の手間を軽減する狙い。寄贈楽器は同館の備品として、同館の一般利用者も使用できる。

 寄贈したのはティンパニ(S、M、L、LLの計4台)▷コンサートバスドラム(大太鼓)▷グロッケン(卓上鉄琴)▷シロフォン(木琴)▷マリンバ▷ビブラフォン(鉄琴)▷コンサートチャイム―の7種10台の楽器と、練習用譜面台50本。同連盟は4月20日、任意団体から一般社団法人に移行し、同館で法人としての結成記念式典を実施。楽器の寄贈はその記念事業の一環で、式典の中で贈呈式を行った。

 複雑な機構を持ち、重い打楽器の運搬。近年は少子化で吹奏楽部の部員も減少傾向にあり、負担は年々大きくなっているという。同連盟は、コロナ禍で部活動が困難だった2021年から3年間、主催する県吹奏楽コンクールで、打楽器を他から借りて参加団体に貸し出すサービスを行ったところ、予想をはるかに超える数の団体が利用。反響の大きさから今回の楽器購入と寄贈を決めた。

 県橿原文化会館は、同連盟が主催するコンクールやコンサートをはじめ、各加盟団体の定期演奏会などの会場として、年間を通して多くの吹奏楽団体が利用。県内の「吹奏楽のメッカ」になっている。 

 贈呈式では目録を受け取った森田俊子・県橿原文化会館長から同連盟に、山下真知事からの感謝状が贈られ、2023年度関西アンサンブルコンテストに県代表として出場した打楽器グループ「香芝北打打っ子アンサンブル」の3人が、寄贈楽器を使って演奏を披露した。福島理事長は「ホールに打楽器があるメリットは計り知れない。加盟団体の活動の広がりを期待している」と話している。

 同連盟は1959(昭和34)年に各学校の吹奏楽部などが集まって発足。「小学生の部」「中学生の部」「高校の部」「大学の部」「職場の部」「一般の部」に計約190団体が加盟している。一般社団法人化は学校の部活動の地域移行を見据えてといい、上部団体の全日本吹奏楽連盟は73(同48)年に法人化している。都道府県連盟の法人化は2021年の茨城県吹奏楽連盟に続き2例目。

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