【西武】極度の貧打で〝負のループ〟… 若手に過度の期待も関係者は苦言「甘い世界ではない」

西武・松井監督

西武は15日の日本ハム戦(エスコン)に3―12と大敗し、2連敗。いずれも敵地・エスコンフィールド北海道で過去3戦3勝と相性の良かった高橋光、隅田を先発マウンドへ送り出したものの痛い連敗を喫し、借金は再び11となった。

ここまで当地では3戦全勝、防御率0・41と無敵を誇っていた先発・隅田は序盤から万波、郡司に痛い2発を食らい、4回途中9安打6失点で途中降板。「初回から毎イニング安打を許してしまい、試合を作ることができませんでした」と3敗目に天を仰いだ。

後続のリリーフ陣も失点を重ね、日本ハム打線に大量19安打12点を献上する大敗だった。

11日の楽天戦(ベルーナ)でドラフト1位・武内が7回7安打1失点と粘りの投球で3勝目を挙げ、今季4度目の4連敗を止めた。翌12日も開幕投手・今井が本調子ではない中、7回2失点と試合を作って連勝にこぎ着けていた。

しかしながら極度の貧打に苦しむ今季のチームは連敗を止めても、先発投手が序盤にビハインドを奪われれば追い掛ける力が打線に備わっていない。そこから新たな連敗が始まる〝負のループ〟が繰り返されているのが悩ましい現状だ。

マキノン、山川に代わるポイントゲッターに任命されたアギラーとコルデロの中軸がNPBへの適応に苦しみ、目下のところ二軍調整中。飛車角のない打線は相手バッテリーの〝オアシス〟となっている。

そうかといってスペアとなる駒もなく、押し出される形で二軍から特に状態が良いわけでもない若手、中堅野手の入れ替えがルーティンワークのようになりつつあるが、その〝旬〟は当然のように短い。

11日の楽天戦で緊急昇格し、この日で4試合連続スタメン出場となったドラフト6位・村田怜音内野手(22)は7回の守備で万波の邪飛を懸命に追い掛けてフェンスに激突。そのまま負傷交代となってしまった。

チーム関係者が「本来はレギュラーが固まっている中で、1人の若手を育てる起用法が理想形。チーム状況が悪い中で上げられた若手はやはり無理をするし、結果を出し続けられるほど甘い世界ではない」と指摘するように、今は下から上がってくる野手に起爆剤としての大きな期待が掛かり過ぎている。

歯止めが利かない悪循環をどうやって止めるのか。西武が出口の見えないブラックホールにハマり込んでいる。

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