「岩型カメラ」を自作し150kmの長距離遠征…女性風呂盗撮男のすさまじい執念

「岩型」隠しカメラ(上)、モバイルバッテリーと接続していた(提供)山形県警

そこまでして、女性の入浴姿を見たかったのか--。山形市内の温泉施設に隠しカメラを仕掛け、入浴中の女性の裸を盗撮しようとしたとして、福島県南相馬市の会社員、石塚悠太郎容疑者(31)が10日、性的姿態撮影処罰法違反(撮影未遂)の疑いで県警山形署に逮捕された。

石塚容疑者はGW最終日の今月6日、温泉施設の女風呂に忍び込み、大きさ10センチの岩に模した隠しカメラを設置。午前6時ごろから正午までの間、入浴客を盗撮しようとした。

利用客の女性が違和感を覚え、手を伸ばして岩のようなものを触ったところ、粘土でガチガチに固められ、直径約1センチのレンズが内蔵されていた。女性は温泉施設の従業員に伝え、警察に通報した。

「仕掛けられた隠しカメラは、長時間撮影ができるようモバイルバッテリーが取り付けられていた。バッテリーには、目立たないよう黒いテープが貼られ、バッテリーとカメラをつなぐケーブルも周囲に溶け込むよう茶色のテープでグルグル巻きにされていました。女性は何となくおかしいと感じたのでしょう。一体何だろうと思って手に取ったら、隠しカメラだったということです」(捜査事情通)

そんな出来事があったとはつゆ知らず、石塚容疑者は再び人目につかぬように女風呂に侵入。心躍らせながら、盗撮動画が保存されているはずの隠しカメラを回収しようとした。

ところが設置したハズの隠しカメラが、あるべきところからなくなっていた。「アレ、ない、ない、ない……」。その瞬間、石塚容疑者は盗撮がバレたと思い、慌てふためいたようだ。

「押収したカメラを解析したところ、保存された映像などから本人の特定に至った。本人も証拠品を押収された時点で、犯行がバレるのは時間の問題と思ったのだろう。観念したようで、犯行から4日後の10日午後、自ら警察に出頭した」(前出の捜査事情通)

調べに対し、「入浴中の女性をひそかに小型カメラで撮影しようとしていた」と、容疑を認めているという。

石塚容疑者は自宅のある南相馬市から、犯行現場となった山形市まで約150キロ、車で2時間ほどの距離を盗撮を目的にして遠征していた。警察は余罪があるとみて、調べを進める。

「岩型」隠しカメラは手の込んだ細工がしてあったが、一般女性に一発で見破られるぐらいだから、「完成度」はイマイチだったのだろう。

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