マイアミで敗れたレッドブルF1「マクラーレンより遅かったのは事実」とマルコ。次戦イモラでアップデートを実施へ

 レッドブルのモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコは、チームが前戦マイアミGPで予想外の敗北を喫したことから、次のイモラでのF1第7戦エミリア・ロマーニャGPには新しいパーツを持ち込む予定だと語った。

 マックス・フェルスタッペンは今シーズン5勝目を飾るという自信に満ちてマイアミに乗り込んだが、マクラーレンのランド・ノリスに敗れ、2位に甘んじることを余儀なくされた。フェルスタッペンは今シーズンすでに第3戦オーストラリアGPで勝利を逃しているが、これはブレーキのトラブルによりリタイアしなければならなかったためだ。フィニッシュ時にコース上にいたにもかかわらず優勝を逃したのは、昨年のシンガポールGP以来のことだった。

 レッドブルは、チーフテクニカルオフィサーであるエイドリアン・ニューウェイの離脱と、チーム代表クリスチャン・ホーナーに対する疑惑が続いている影響で集中力が乱されているので、今シーズンは見た目ほど一方的なものにはならないかもしれないという期待が高まっている。しかし、週末を終えたマルコは当然のように強気な姿勢を見せ、チームには巻き返しを図って今年のチャンピオンシップの支配権を再び確立するための大きな計画があると主張した。

「ノリスは(マックスに)50ポイント以上も差をつけられているので心配していない」とマルコは『OE24』に語った。

「しかしマイアミは、物事のスポーツ面に集中する必要があることを示している」

 レッドブルのペース低下について問われると、マルコは「我々はただ遅すぎた」と認めた。

「マックスはそれほど深刻なことではなかったと考えているが、我々がマクラーレンよりも遅かったということは事実だ」

2024年F1第6戦マイアミGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

 マイアミでレッドブルのパフォーマンスが相対的に平均以下だったことには、酌量すべき事情があった。ノリスはセーフティカーのタイミングから大きな恩恵を受けたが、一方でフェルスタッペンはリスタート後、フロアの損傷により1周あたりコンマ2秒以上のタイムをロスしたのだ。

「(セーフティカーがなければ)ノリスはマックスとの差を縮めるのに苦労しただろう」とマルコは主張した。

「そしてマイアミではオーバーテイクも非常に難しい」

 レッドブルはすでにそうした失望から立ち直り、今後に向けたステップを踏み出す準備に忙しくしている。

「我々はイモラにアップグレードを持ち込むが、それには大いに期待している」とマルコは語った。

 チームにとっての懸念は、フェルスタッペンの無敵のオーラが傷ついた一方で、ノリスが自身にレースに勝てるポテンシャルがあることを知り、自信を大きく高めていることにある。

「コース上でランドが彼にとってさらに危険な存在になるのではないかと懸念される。今ではプレッシャーがなくなったからだ」

 ノリスの勝利は、2019年のオーストラリアGPでF1にマクラーレンからデビューして以来、110戦目でのことだった。表彰台を15回獲得しているにもかかわらず、その最上段に上がっていないことで、彼はソーシャルメディア上で『Lando No Wins(勝てていないランド)』と揶揄されていた。だが表彰台の最上段に立つことは、先週の日曜日についに実現した。ノリスと彼のチームは、今年の残りも勝利の習慣を身につけたいと願っているが、それはライバルであるレッドブルやフェラーリがまったく望んでいないことだ。

2024年F1第6戦マイアミGP表彰式 左から2位マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、アンドレア・ステラ代表(マクラーレン)、優勝ランド・ノリス(マクラーレン)、3位シャルル・ルクレール(フェラーリ)

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