【早出し】地域通貨700店で利用開始 値引き分10%上乗せ、ネッツトヨタ山形の「コイン」

利用実演したネッツトヨタ山形の独自の地域通貨=山形市・乃し梅本舗佐藤屋

 ネッツトヨタ山形(山形市、高橋修社長)は15日、独自の地域通貨「ネッツ山形コイン」の利用を県内加盟店約700店でスタートさせた。自社で車を購入した人を対象に、値引く代わりに10%プレミアム付き電子コインを贈呈。自社以外の地域店舗で利用を促し、県内経済活性化を狙う。

 新車購入者には、3万円の値引きの代わりに3万3千コインを贈る。中古車の場合は値引き1万円に代え、1万1千コインをプレゼントする。贈呈コインの費用は同社が負担する。

 利用者は1コインを1円として使える。スマートフォンから専用サイトにアクセスし、加盟店店頭にあるQRコードをカメラで読み取る。入力画面が出たら支払金額を入れ、店の確認を得て決済する。手続きが終わると、スマホから同社キャラクター名の「ねぽぽん!」と電子音が鳴る。

 加盟店は同日時点で709店舗。初期費用や手数料の支払いは必要なく、指定口座に使用額が月1回振り込まれる。地域還元が目的のため、ネッツ店舗では使えない。加盟店一覧は同社サイトで閲覧でき、店頭のステッカーも目印。引き続き県内から参加店を募る。

 コイン贈呈は1月から始まった。車購入者の半数がコインの受け取りを希望し、既に計1820万コインを贈った。今年中に6千万コインの流通を見込み、2年後には1億コインを目指す。

 初日は山形市の乃し梅本舗佐藤屋で利用実演が行われ、高橋社長は「売り手、買い手、世間だけでなく未来も含め『四方良し』を目指す。加盟店やお客さまと共に山形に笑顔を増やす」とあいさつ。佐藤屋の佐藤松兵衛会長は「趣旨に共感し、参加を決めた。経済活性化に貢献したい」と話し、佐藤慎太郎社長は利点を「全ての売り上げが加盟店に入り、新規顧客獲得にもつながる」と語った。

 今後、コイン贈呈対象の拡大を検討する。問い合わせはネッツトヨタ山形023(623)0502。

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