お弁当の人気おかずをもっとおいしく!冷めてもふわふわな「卵焼き」を作るコツ

料理に関するちょっとしたお悩みに対して、解決方法をわかりやすく教えていただく料理研究家・井上かなえ(かな姐)さんのフーディストノート公式連載。今回のテーマは、冷めてもふわふわな卵焼きを作る方法について。3種類の卵焼きを作りながら検証してくださいましたよ!

こんにちは!かな姐です。

新年度になり、この春からお弁当作りを始めたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

最初のひと月くらいは真新しいお弁当箱を使うというテンションの高さでなんとか作れていたお弁当も、2か月目に入るころからマンネリ化してくることもあり、なんとかモチベーションをアップさせたい!と思っていらっしゃる方も多いかと思います(かつてのわたしもそうでした笑)。

さて、そんな今月のお悩みはこちらを選んでみました。

卵焼きについてです。卵3個だとふわっとなるのですが、2個で作ると作りたてはふわっとなるのですが、少し時間が経つとしぼみます。

ちなみに卵3個の場合、白だし小さじ2+水小さじ2〜3入れてます。2個の場合は白だし小さじ1+水小さじ1〜2で作っています。ふわっとが持続する卵焼きの作り方を教えてください。

卵焼きについて!

その黄色い見た目のおかげで、お弁当箱に入れると一気に華やかになるし、冷めてもおいしい、忙しくてもたったの2~3分ででき、材料は卵だけ、そして「卵焼きは毎日入れてほしい!」という声もあるくらい(←これはわが家の子どもたちの場合ですが)人気のお弁当の定番おかずです。お弁当といえば卵焼き!

卵焼きってほんっと千差万別というか、入れる調味料によってどんな味にも変化するし、その食感も全く変わってくるので、これはぜひいろいろな方法で作って、冷めたときのそのふわふわ感を食べ比べてみようと実験してみることにしました。

基本の作り方と3種類の卵焼きで検証!

今回は3種類の卵焼きを作ります。

A わたしが20年間作り続けているだし巻き卵

B 入れると簡単にふわふわになる!といえばこれ、マヨネーズ入りの卵焼き

C とあるテレビ番組で紹介された、片栗粉入りの卵焼き

では、3種類の卵焼きのそれぞれの材料です。

材料

Aの卵焼き

・卵…2個

・水…大さじ2

・かつおぶし…ひとつまみ(1g)

・しょうゆ…小さじ1/2

・塩…ひとつまみ

・油…小さじ2くらい

(かつおぶし+水で簡易的なおだしになります)

Bの卵焼き

・卵…2個

・水…大さじ2

・かつおぶし…ひとつまみ(1gくらい)

・マヨネーズ…大さじ1

・しょうゆ…小さじ1/2

・油…小さじ2くらい

Cの卵焼き

・卵…2個

・水…大さじ4

・かつおぶし…ひとつまみ(1gくらい)

・塩…ひとつまみ

・しょうゆ…小さじ1/2

・片栗粉 小さじ1

・油…小さじ2くらい

作り方(A~C共通)

1. 油以外の材料をボウルに入れ、フォークでよく溶き混ぜます(※ポイントその1)

2. 卵焼き器は強めの中火にかけ、油を入れて煙が出るくらいまで温めます(※ポイントその2)

3. 卵液を1/3量流し入れ、菜箸で大きくかき混ぜて空気を含ませるようにし(※ポイントその3)、奥から手前にフライ返しを使って巻く。

4. 卵を奥に寄せ、空いたところに卵液を残りの半分流し入れ、卵の下にも卵液を流し入れて半熟の状態で奥から手前にくるくると巻く。

5. 卵を再び奥に寄せ、空いたところに残りの卵液を全て流し入れ、卵の下にも卵液を流し入れて半熟の状態で奥から手前にくるくると巻く。

卵焼きをふわふわにさせるためには何を入れるかも重要なんですが、焼き方にもコツがあります。

・ポイントその1:卵液はフォークを使ってよく混ぜる

・ポイントその2:煙が出るくらいまで温めた卵焼き器で焼く

・ポイントその3:最初の一投目の卵液は空気を含ませるように菜箸で大きくかき混ぜる。

この3点のポイントに気を付けるだけで、中に入れるものは変えずとも、もしかするとふわふわになるかもしれません。

また、卵焼きには必ず入れてほしいのがお水です。

お水を入れることで卵がカチカチにならず、やわらかい食感に焼きあがります。

このお水の量なのですが、入れれば入れるほど食感はやわらかくなるのですが(ふるふるふるえる茶わん蒸しのような食感に)、入れすぎると今度は巻くのが少し難しくなってきます。

なのでわたしは卵1個につき、大さじ1を目安に入れています。これならば巻くのにそう苦労もせず、食べたときにじゅわっとした食感も存分に味わえます。

また、卵を焼いた後すぐにカットせず、粗熱が取れてから包丁を入れることも大切で、熱いうちに包丁を入れてしまうと、せっかくの水分が全部外に流れ出してしまいます。

必ず入れてほしいお水以外の味付けなのですが、これはご家庭によって好みがあるでしょうから、お好きにしていただいて構いません。

ただ、強めの火で一気に焼きたいので、お砂糖を入れるとそれだけ焦げやすくはなることを頭の隅に置いておいてください(手早くすれば大丈夫!全ては慣れです、毎日やっていると自ずと上達します)。

お水が入るとその分卵焼きもやわらかくなりますから、菜箸だけでひっくり返すのが難しそうならば、フライ返しを使うと楽です。

検証!3種類の卵焼きを食べ比べ

ではお待たせしました、ABCそれぞれの材料で上記焼くときのポイントを踏まえながら焼いた3本がこちらです。

左からA、真ん中がB、右がCです。

横から見ると、それぞれのふんわり度がどのくらい違うかがお判りいただけますでしょうか。

一番ボリュームが出て大きくなったのはCですが、Bもなかなか高さが出ていると思いませんか。

こちらが断面です。

写真ではちょっとわかりにくいのですが、Bの卵焼きはペースト状?とまではいかないんですが、めちゃくちゃなめらかになっているんです。マヨネーズの効果でしょうか。

Cはかなりきめ細やか。

でもどれも切ったあと、汁が出てきていませんよね!お水は全て卵液に含んだまま上手に焼きあがっているので、これがジューシーな食感になっているはず。

A→B→Cの順番に食べてみました。

A…いつものお弁当に入っている味。じゅわっとジューシーでおいしい。安定のおいしさ。適度に弾力あり。

B…ふわっとエアリーな感じがする。Aよりやわらかい。マヨ感はない!って思ったけど、Cを食べた後にBに戻ったらめっちゃマヨの味がした。

C…ふわふわって感じ。さっきよりもふわっふわ。もはや茶わん蒸し。ポヤポヤ。液体に限りなく近い個体って感じ。

という結果になりました。

一番ふわふわなのはCでしたが、実は次女が一番美味しかったと言ったのはA。

食べ慣れているというのもあるのかもしれないんですが、次女曰く「適度に弾力があって、卵らしさがしたのがA」とのことでした。

わたしはCの卵焼きがぽやぽや食感で、京都で食べた出汁巻き卵みたいで(でも片栗粉入りなので、作るのはそんなに苦労もせず)これはアリだなぁと思いました。

お水を大さじで計量するときは、適当なコップなどにお水を入れておき、ここから大さじスプーンですくって、1杯、2杯と量ってください。

直接蛇口にスプーンを差し出すと、正確に量れませんし多分飛び散ります(笑)。

シンプルなようで実はポイントがいっぱいある卵焼き。

お砂糖を入れるとまた食感がしっとりに変わります。

いろいろ試してみて、お好みの食感と味を見つけてみてくださいね。

ではまた来月お楽しみに!

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