大熊「商工会館」完成 6月業務開始、地域経済再生へ決意新た

新しい大熊町商工会館の完成を祝いテープカットする関係者

 大熊町商工会が、町内のJR大野駅前に建設していた新しい商工会館が完成した。15日は現地で落成記念式典が行われた。関係者は会員事業者の町内での事業再開などを進め、地域経済再生への決意を新たにした。同商工会は6月下旬から新会館で業務を始める。

 大野駅西側に取得した土地に、延べ床面積990平方メートルの木造2階建ての新会館を整備。多目的ホールや会議室、相談室、事務室などを設けた。災害時にも対応できるよう倉庫や駐車場も整備し、倉庫にはテーブルやいす、テント、毛布などを備蓄する。総事業費は約6億円。

 式典では蜂須賀礼子会長が大野駅前で進む再開発や県立大野病院の後継医療機関の開院などを踏まえ「商工会は町内での事業の再開や展開、新規創業を進める事業者の道しるべとなるべく帰ってきた」とあいさつした。

 須藤治経済産業省中小企業庁長官、吉田淳大熊町長、轡田倉治県商工会連合会長らと共にテープカットし、完成を祝った。

 大野駅周辺は特定復興再生拠点区域(復興拠点)として2022年6月末に避難指示が解除された。

 町商工会は原発事故後、会津若松市やいわき市、大熊町大川原地区に事務所機能を移転しながら、業務を続けてきた。震災前まで使っていた大野駅前の商工会館は解体した。

© 福島民友新聞株式会社