明治ヨーグルト 継続摂取で健康改善 市内小学生対象に調査 八王子市

調査には飲むヨーグルトを使用 =同社提供

市内七国に研究本部「明治イノベーションセンター」を置く株式会社明治(松田克也代表取締役社長)が、このほど市と連携して市内の小学校児童を対象に実施した調査で、ヨーグルトの継続摂取により健康状態の改善が認められたと発表した。

この調査は2022年10月から23年3月にかけて、市内の小学校6校に通う児童2179人を対象に期間を分けて実施したもの。乳酸菌OLL1073R-1株とOLS3059株で発酵させたヨーグルトを1日に112グラム、登校日の8週間にわたり継続的に摂取してもらい、摂取期間と非摂取期間で風邪などの症状による欠席者数、累積欠席日数などを比較。合わせて体調アンケートも行った。

調査の結果、ヨーグルトを摂取していた期間と摂取していない期間では風邪などの症状による欠席者数には差がなかったものの、摂取期間中の累積欠席日数が減少していることが確認された。さらに風邪などによる平均欠席日数も非摂取が2・64日に対し摂取は2・39日と減少、3日以上欠席した児童の数も非摂取の325人に対し摂取は291人と下回っていた。

また対象者に実施した体調アンケートでも、摂取期間中の睡眠や学習意欲などの健康状態が改善していることが認められたという。同社と市は3月に東京農業大学で開かれた「日本農芸化学会2024年度東京大会創立100周年記念大会」でこの研究成果を発表している。

八王子から全国へ

市内に研究本部がある縁で、近隣小学校児童の施設見学の受け入れや科学教育などの地域連携を日頃から行っている同社だが、「今回のような市と連携した大規模な健康増進活動の取り組みは初めて」という。

今回は、ヨーグルトの摂取が児童の健康状態に与える影響について調査したいという同社からの打診に、市民の健康増進を推進している市の方針が合致。市を通じて6校が協力し、保護者の同意が得られた児童を対象に取り組みが行われた。

結果を受けて同社は「コロナ禍を経て体調管理への意識が高まっている。八王子で実施させていただいた取り組みをもとに研究を進め、日本中の子どもたちをはじめ、幅広い年代層の心身の健康の実現に取り組んでいきたい」と展望する。

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