クリスマスのダブルヘッダーはチーフス対スティーラーズとレイブンズ対テキサンズ

NFLロゴ【Ric Tapia via AP】

2024年のクリスマスにもNFLの試合が2試合行われる予定だ。

リーグは現地12月25日(水)にダブルヘッダーを組んでいる。1つ目の試合でカンザスシティ・チーフスが敵地に赴いてピッツバーグ・スティーラーズと対戦し、2つ目の試合ではボルティモア・レイブンズがヒューストン・テキサンズと対決することになった。

両試合は初の試みとして『Netflix(ネットフリックス)』で独占配信される。

これらの4チームはすべて、昨季にポストシーズン進出を果たしており、レイブンズとテキサンズはボルティモアで行われたディビジョナルラウンドで相まみえた(34対10でレイブンズが勝利)。

NFLは長年、クリスマスに試合を組むことを避けてきたものの、特にここ数年は劇的に変化している。12月25日に少なくとも1試合が組まれるのは4年連続で、複数の試合が組まれるのは昨年のクリスマス・トリプルヘッダーを含めて3年連続だ。

カンザスシティ・チーフス vs. ピッツバーグ・スティーラーズ
会場:アクリシュア・スタジアム(ピッツバーグ)
日程:アメリカ東部時間13時【日本時間26日(木)3時】

試合後すぐに状況を好転させたとはいえ、1年前のクリスマスはチーフスにあまり優しくなかった。チーフスは昨年12月25日にホームでラスベガス・レイダースに打ちのめされ、レイダースが第1クオーター以降にパスを1つも通さなかったにもかかわらず、試合に敗れている。

今回、チーフスは2019年以降で初めてピッツバーグに向かう。これまでの直接対決では14勝23敗と劣勢にあるチーフスだが、今のところ3回連続で勝利している。

クオーターバック(QB)パトリック・マホームズは先発として一度もスティーラーズに敗れたことがない。アローヘッドスタジアムで臨み、42対21で圧勝した2021年のプレーオフゲームを含め、マホームズはスティーラーズ相手に3勝0敗だ。先発したその3試合で、マホームズはパス97回中76回を成功させて988ヤード、タッチダウン14回、インターセプト1回と驚異的な成績を残している。

タイトエンド(TE)トラビス・ケルシーは2021年レギュラーシーズンのボクシングデー(12月26日)に行われたスティーラーズ戦を欠場したものの、プレーオフでのリマッチには出場してキャッチ5回、108ヤード、タッチダウン1回を記録した。ケルシーはその試合でタッチダウンパスも決めている。この試合の他に唯一、マホームズと共に臨んだスティーラーズ戦(2018年)でも、ケルシーは2回のタッチダウンを記録した。

今オフシーズン、チーフスはワイドレシーバー(WR)マーキス・ブラウンと契約し、WRゼイビア・ワーシーをドラフトで指名するなどして攻撃力を増しているが、WRラシー・ライスの法的問題がそこに水を差している状態だ。

スティーラーズはまだオフェンス面でチーフスのレベルに達していないものの、オフシーズンに攻撃陣に変化を起こしたことが得点力アップにつながることを期待している。

チームはQBのラッセル・ウィルソンとジャスティン・フィールズを迎え入れ、プレーコールは新攻撃コーディネーター(OC)アーサー・スミスが担当することになった。スティーラーズはWRディオンテ・ジョンソンという大きな武器の1つをトレードした一方で、ヴァン・ジェファーソンと契約し、ドラフト3巡目でロマン・ウィルソンを指名してそのポジションを強化している。

デンバー・ブロンコスで過ごした昨シーズンに、ラッセル・ウィルソンはチーフスとの対決でチームを1勝1敗に導いた。2試合で10回ものサックを喫したウィルソンだが、シーズン第8週に24対9で勝利した試合ではタッチダウンパスを3回通している。チーフスはフィールズも打ち負かしており、フィールズはシカゴ・ベアーズがカンザスシティで41対10と惨敗した試合で99ヤードという記録にとどまった。

クリスマス当日に行われる試合にチーフスが臨むのは今回で5回目だ。これまでの試合で、チーフスは2勝2敗となっている。スティーラーズが12月25日に試合に出たのは2016年と2017年の2回だけだが、クリスマスに負けたことは一度もない(2勝0敗)。

ボルティモア・レイブンズ vs. ヒューストン・テキサンズ
会場:NRGスタジアム(ヒューストン)
日程:16時30分【日本時間26日(木)6時30分】

テキサンズは今年1月に臨んだプレーオフゲームの前半、レイブンズと互角に戦っていた。テキサンズはWRスティーブン・シムズが決めたパントリターンタッチダウンで同点に追いつき、10対10でハーフタイムを迎えている。

しかし、試合の後半はレイブンズの独壇場となった。MVPに輝いたQBラマー・ジャクソンが3回のタッチダウンドライブを演出。2回はランで、1回はパスで得点を挙げた。最終的に、レイブンズは勢いに乗っていたテキサンズに34対10で勝利。オフェンス部門年間最優秀新人賞を受賞したQBのC.J.ストラウドはパスを33回試みたものの175ヤードに抑えられている。また、テキサンズは合計で213ヤードしか稼げず、第1ダウン獲得は10回にとどまった。

昨季、スーパーボウル出場という目標を達成できなかったレイブンズはオフェンス面の変更を余儀なくされ、バックフィールドとオフェンシブラインの両方を刷新。ランニングバック(RB)デリック・ヘンリーの加入は重要な補強と言えよう。ヘンリーはトッド・モンケンOCの下でジャクソンが率いるオフェンスに独特のひねりを加えられるはずだ。

事実上、今オフシーズンのフリーエージェント(FA)でレイブンズが出た大きな動きはその程度だった。一方、テキサンズはストラウドの素晴らしいルーキーシーズンとその新人契約をうまく活用し、非常に積極的に動いている。

テキサンズは攻守両面の補強に意欲的だった。オフェンスでは、ランニングバック(ジョー・ミクソン)とスターワイドレシーバー(ステフォン・ディッグス)をトレードで獲得し、TEダルトン・シュルツと再契約。さらには、ドラフトでライトタックル(RT)としてプレーする見込みのブレイク・フィッシャーを指名した。守備面では、ディフェンス部門年間最優秀新人賞に輝いたディフェンシブエンド(DE)ウィリアム・アンダーソンJr.とコンビを組ませるべく、ラインバッカー(LB)ダニエル・ハンターと2年契約を締結。また、テキサンズはユニットの3つのレベルすべてに厚みを持たせ、競争を生み出している。

レイブンズはこれまでに3回、クリスマスの試合に出場しており、昨年はリーバイス・スタジアムでサンフランシスコ・49ersに33対19で勝利。その結果、レイブンズはレギュラーシーズン終盤にNFLのトップに躍り出た。テキサンズは過去に一度だけ(2017年)、クリスマスの試合に臨んだことがあるものの、NRGスタジアムでスティーラーズに34対6で敗れている。

【RA】

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