インカレ連覇した関東No.1ロングジャンパー 橋岡優輝を遠目で眺めた乙津美月が6m01で記した成長の印

女子1部・走り幅跳びで連覇を達成した日女体大・乙津美月【写真:中戸川知世】

陸上・関東インカレで輝いた選手たち 女子1部・走り幅跳び/日女体大・乙津美月(3年)

9日から4日間、行われた陸上の第103回関東学生競技対校選手権(関東インカレ)。2年ぶりに国立競技場で開催された熱戦を取材した「THE ANSWER」は文武両道で部活に励む選手や、怪我や困難を乗り越えた選手など、さまざまなストーリーを持つ学生を取り上げる。今回は女子1部・走り幅跳びの日女体大・乙津美月(3年)。決勝で6メートル01(向かい風0.8メートル)を記録し、連覇を達成した。東京五輪6位入賞の橋岡優輝と同じ八王子学園八王子高出身。世界を知る先輩を「遠くから見ていた」という高校時代から記録を20センチ伸ばした。関東No.1のロングジャンパーは更なる成長で日本一を目指す。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)

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3本目を終え、2位と1センチ差の緊迫する展開。声援を一身に受けた1位の乙津は、4回目に6メートル01をマークし、2本目から記録をさらに2センチ伸ばした。

スタンドで声援を送る仲間に笑顔でガッツポーズ。最終結果も2位と1センチ差。接戦を制した連覇達成に「記録的には悔しいけど、優勝できて安心した」と笑顔を見せた。

東京五輪で6位入賞した橋岡の母校・八王子学園八王子高校(東京)の出身。同じ渡辺大輔監督に指導を受けた。高校時代、憧れの先輩と対面した際に「頑張ってね」と声をかけられたことがある。

ダイナミックに跳躍する乙津、高校時代から自己ベストは20センチ伸びた【写真:中戸川知世】

「橋岡選手はレベルが高すぎて遠くから『すごいな~』と見ていました」と振り返るが、自身も大学で着実に成長している。

高校までの自己ベストは6メートル02。大学進学後に20センチ伸ばし、6メートル台も安定して跳べるようになった。「パワーがついたことで踏切が改善できて、助走の強さも出てきた」。大学で始めたウエイトトレーニングが成長を後押しした。自己ベストに届かなくても6メートルを超えて達成した連覇は、成長の印だ。

王者として迎える大会前は「1週間前くらいから緊張していた」というが、僅差の展開でも「緊張をやる気に変えて挑めた」と胸を張る。

次なる目標は9月に行われる日本学生競技対校選手権(全日本インカレ)での優勝。「1本目から6メートルを跳んで、6メートル50くらいを目指したい」。関東連覇の自信を胸に、日本一を掴む。

THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe

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