高齢者の介護保険料が過去最高 23区で差

基準額の改定が発表された65歳以上の介護保険料についてお伝えします。介護保険料は介護サービスに必要な費用のうち自己負担を除いたおよそ半分を賄うためのものです。65歳以上の介護保険料は、各自治体が決めていて、介護が必要となる人数の予測などを基に3年に1度、基準額を決定しています。この介護保険料について今回、全国平均では6225円となり前回の改定から211円上昇、東京都では6320円で前回から240円上昇しました。

さらに、23区で一番低くなったのが千代田区で5600円、一番高いのが荒川区で6920円となりました。これについて荒川区内の高齢者に伺ったところ、様々な声が聞かれました。

「高いなと思う。荒川区からもう引っ越せないし、困ります」「年金が少ないから生活が困る」「そのくらい必要なんじゃないの、介護保険は。年寄りは意外とお金かかるから。(介護保険料が)少なけりゃいいってものじゃない。そこそこのサポートをしてもらえるのならいい、無駄遣いするわけじゃないでしょ」

23区内で最高額となった荒川区の介護保険料について区の担当者は、「介護や支援が必要となる後期高齢者が増えていて、介護サービスの必要量も増えると予測されることから増額を決めた」と説明しています。

一方で、最低額となる5600円の千代田区は、「高齢者の割合の低さや高所得者の多さなどが影響している可能性がある」「フレイル予防など、そもそも介護を受ける人を減らして介護保険料の上昇を抑えるための予防策を行っていることが功を奏しているのでは」と話していました。

介護保険料の増加については、「負担が増える」という見方もありますが、一方で介護サービスの充実につながるという一面もあります。介護保険料は、少子高齢化が進む中での各自治体の現状を反映している数字と言えそうです。

© TOKYO MX