福島県石川町長が辞職届 官製談合容疑事件 17日臨時議会

 福島県石川町発注道路工事の指名競争入札を巡る官製談合容疑事件で、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕された町長の塩田金次郎容疑者(76)=石川町形見字道橋=は15日、代理人弁護士を通じて町長辞職届を近内雅洋町議会議長に提出した。17日に開かれる臨時議会で同意されれば、同日付で辞職となる。

 塩田容疑者は「町政の停滞と混乱を避けるため」とするコメントを、町を通じて発表した。

 地方自治法の規定では首長が辞職する際は辞職日の20日前までに議長に申し出る。20日間を待たずに辞職を望む場合は、議会の同意が必要とされている。議長は辞職の申し出を受けてから5日以内に町選管委に辞職を通知する。

 町選管委は公選法に基づき、通知を受理した翌日から50日以内に選挙を行う。町選管委は17日に出直し町長選の日程を協議する。

■円谷元県議 立候補前向き

 塩田容疑者の町長辞職届提出を受け、元県議の新人円谷健市氏(70)が町長選への立候補に前向きな姿勢を示している。近く後援会幹部を集めた会合を開き、意思を伝えるとみられる。

 円谷氏は15日、福島民報社の取材に「複数の支援者から(自分を)町長に推す声が出ている。前向きに検討している」と語った。

 石川町出身。東白川農商(現修明)高卒。石川町議を経て、2011(平成23)年の県議選で初当選し、3期務めた。

■高橋氏が出馬表明

 郡山市の会社経営の新人高橋翔氏(36)は塩田容疑者が逮捕された翌日の1日、市内で記者会見して立候補を表明した。「産業の創出に力を入れる。子育てしやすい環境づくりも進める」と述べた。

 東京都日野市出身。都立多摩工高卒。会社員を経て、IT関連企業、宇宙関連企業経営。2016年に県内に移住した。

 他にも立候補を模索する動きがある。

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