AIとデータセンター関連の銅需要、年間20万トン増か=マッコーリー

[ロンドン 15日 ロイター] - 豪投資銀行大手マッコーリー・グループは15日付のノートで、データセンターと人工知能(AI)に関連する銅需要が、2030年までに年間約20万トン増える可能性があるとの見通しを示した。これは他社の市場予測よりもかなり少ない。

同社のアナリストは「データセンターとAIが銅需要に与える影響について、30年までに年間50万─200万トン超との予想が大いに報じられている。われわれは実際の影響はこれよりもかなり少なくなるとみている」と指摘。データセンター関連の電力設備の建設には年間9万5000トンの銅が必要となり、データセンターそのものについては、現在の需要に対して30年までに年間6万─14万トン増えると予想した。

世界最大の銅消費国である中国において電気自動車(EV)と太陽光パネルの生産と送電網への投資が加速していることから、電力や建設業界で使用する銅需要の見通しは既に高まっている。

銅精鉱の供給がひっ迫していることと相まって、ロンドン金属取引所(LME)の銅価格は2年余りぶりの最高値となる1トン=1万0350ドルまで上昇した。

一方で、国際銅研究会(ICSG)によると、今年と来年の世界の銅市場はそれぞれ16万2000トンと9万4000トンの供給超過に直面している。

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