新たな商工会館が完成 町商工会がJR大野駅西側に 13年ぶりに帰還 福島県大熊町

テープカットして大熊町商工会の新会館完成を祝う蜂須賀会長(左から4人目)ら

 福島県大熊町の町商工会がJR大野駅西側に整備を進めていた新たな商工会館が完成し、15日に現地で記念式典が行われた。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故発生前に会館を構えていた駅西側の地区に13年ぶりに帰還を果たした。関係者が地域の復興に向け、商工業者の支援を強化し、経済活性化を後押しする決意を新たにした。6月末から業務を開始する。

 木造2階建ての会館と倉庫を建設した。延べ床面積は計約990平方メートル。県産材を使用した温かみのある外観にした。震災の教訓を生かし、災害発生時には避難所としての利用も想定。会議室などは会員の他、町内で創業を考えている個人・団体らの使用も見込む。

 式では蜂須賀礼子会長が「多くの事業者の皆さまが町に根付き、花を咲かせてもらうよう、会員に寄り添いながら一致団結して取り組みを進めていく」とあいさつした。吉田淳町長、県商工会連合会の轡田倉治会長らが祝辞を述べた。関係者がテープカットして完成を祝った。内覧会も催された。

 町商工会は震災と原発事故発生前、大野駅西側にある地区の別の場所に会館を置いていた。いわき市などへの避難を経て、2018(平成30)年から町内大川原地区に連絡事務所を設けている。町中心部に当たる大野駅周辺の避難指示が2022(令和4)年6月に解除され、にぎわい創出に貢献しようと移転を決めた。

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