鳥栖MF河原創の美しすぎるアシスト。川井体制リーグ戦初の連勝に導いたパスはどう生まれたのか

[J1第14節]鳥栖 5-2 川崎/5月15日/駅前不動産スタジアム

前節の13節にアウェーで磐田に3-0と快勝していた鳥栖は、中4日でホームでの川崎戦に臨んだ。

13分に相手CB高井幸大にCKからヘッドを決められる苦しい立ち上がりになったが、そこからはゴールラッシュ。5-2で、2022年に就任した川井健太監督の下では、リーグ戦初の連勝となり、同監督体制では川崎戦初の勝利ともなった。

大きな一勝。それをJ1初ゴールを含む2得点を挙げたFW横山歩夢らとともに支えたのは、ボランチの河原創と言えるだろう。

特に2-1と逆転をした後に迎えた44分のマルセロ・ヒアンへのパスは素晴らしかった。

ハーフウェーラインを少し越えたあたり、右サイドを向きながらボールを持った河原は、腰を捻りながら中央を走っていたM・ヒアンへ浮き球のボールを送る。相手DFたちの頭上を越す絶妙なパスはM・ヒアンの胸に届き、ゴールへとつながったのである。

【動画】河原のアシスト&試合ハイライト
何度でも見返したくなるアシストであったが、河原は「正直見えてはなかった」と振り返る。

「それでもヒアンの呼ぶ声が聞こえたので、どこらへんにいるか、だいたいは分かっていたので、感覚的なところですが、ヒアンが決めてくれたので良かったです」

その言葉通り、河原にとっては助っ人FWがいてくれたからこそのゴールだというのだ。だからこそミックスゾーンでこちらが称賛の言葉を並べても、本人はいたって冷静だった。

「うーん、どうなんですかね。自分としてはなかなかああいうプレーはしていなかったですが、なんて言うんですかね、表現は難しいです。でもちょっと相手がサイドの選手に寄ったなという感覚はありましたし、やっぱりあそこでヒアンが呼んでくれたお陰じゃないですかね。背後の抜け出しがヒアンの一番良いところなので、そこは見逃さないようにしています」

河原は試合終盤には敵陣深いところで、猛烈なプレスをかけ、ボールをカット。FW河田篤秀が決めたチーム5点目も演出している。

改めて河原の川崎戦でのパフォーマンスはインパクト抜群であった。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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