夏場所4日目は霧島が自滅であるぞ「悪夢の2022年」超え…番付上位と下位の力量差もはや皆無

大栄翔(右)に敗れた霧島(C)共同通信社

1横綱4大関の全滅で始まった5月場所。2日目に2人が休場し、3大関と頭数は減ったものの、それでも上位全員が安泰だった日はない。

15日の4日目は霧島(28)が自滅した。大栄翔に押し相撲で徹底抗戦し、体を反転させた相手がそのまま土俵を割ると勝手に思い込んでしまったのが、運の尽き。ボケッと傍観している間に体勢を立て直した大栄翔に、押し出された。

三役以上に勝ちっぱなしの力士はおらず、大関琴桜、関脇阿炎、小結大の里がなんとか1敗をキープしている。平幕に目を向ければ宇良、御嶽海、湘南乃海、宝富士が無敗を保ち、1敗力士も6人。先場所に続いて2場所連続となる平幕優勝の可能性が高くなってきた。

先場所は尊富士が110年ぶりに新入幕優勝。八角理事長(元横綱北勝海)は尊富士を褒め称えると共に、「上位陣は気合を入れ直してほしい。番付の重みというものがある」と大関陣に苦言を呈したものの、馬の耳に何とやら、である。

思い起こされるのが、2022年。この年、大関以上で優勝したのは横綱照ノ富士のみ。貴景勝と正代、御嶽海は大関として賜杯を掴むことはかなわず、逸ノ城、玉鷲、阿炎の平幕3人が優勝した。1年間で平幕が3回優勝するのは、年6場所制になった1958年以降、唯一の珍事である。

現在も大関が看板力士としての役目を果たしているとは言い難い。それでいて、月給は約234万円。約131万円の平幕より、100万円以上も多い。

もはや番付上位と下位の力量差はないに等しい。今場所を含めて今年は残り4場所。その全てで平幕が勝っても不思議ではない。

相撲協会はいっそ、大関の給料と待遇を平幕並みにしてもいい。

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