丸井グループ/3月期3期連続の増収増益、グループ総取扱高は4兆4872億円

丸井グループが5月14日に発表した2024年3月期決算によると、売上高2352億2700万円、営業利益410億2500万円(5.8%増)、経常利益387億7600万円(6.6%増)、親会社に帰属する当期利益246億6700万円(14.9%増)となった。

<3期連続の増収増益>

3期連続の増収増益を計上している。

グループ総取扱高は4兆4872億円(13%増)、フィンテックのカードクレジット取扱高が全体をけん引したことにより、初めて4兆円を上回り過去最高となった。

小売りセグメントは、新型コロナウイルス感染症の5類移行などにともない社会経済活動が正常化に向かうなか、マルイ・モディ店舗において客数が前年を上回ったことや購買単価が上昇したことから取扱高が増加した。

自主PB売り場の撤退によって一時的に増加していた店舗の未稼働区画面積は、新規テナントの導入が進んだことにより大きく減少。新たなテナントの導入が進んだことによる施設のバリューアップが収益増加につながり、営業利益は3期連続の増益となっている。

また、リアル店舗ならではの価値創出をめざし、「売ること」を目的としない体験型テナントやスクール、飲食・サービスなどを導入。その結果、非物販テナントの面積構成は61%(5%増)となり、カテゴリー転換が進んでいる。

さらに、2022年からスタートしたマルイの出店サービス「OMEMIE(おめみえ)」は、全国のマルイ・モディの出店スペースの検索から契約までをオンラインで完結できるサービスで、D2Cブランドや個人事業主などに幅広く活用され、これまでマルイに出店したことのないテナントの導入につながっているという。

店舗と連動したイベント型ECの拡大に加え、WEB系の専門人材を拡充しECサイトを改善。EC取扱高が9四半期連続で前年を上回り、230億円(12%増)となった。

フィンテックセグメントは、営業利益は減益だった。上半期の一時的な費用増加の要因となったポイント費用やクレジット取扱手数料などへの対応策が功を奏したことなどにより、下半期の債権流動化影響を除く営業利益は15億円の増益を計上している。

コロナ禍の収束などによる社会経済活動の活性化により、トラベル&エンターテインメントが大きく伸びた。戦略的に進めている「家計シェア最大化」の取り組みにより家賃払い、ECでの利用、公共料金などの定期払いが増加したことで、第4四半期のカードクレジット取扱高は1兆495億円(12%増)、累計では4兆1172億円(14%増)と過去最高となった。

分割・リボ取扱高は3925億円(15%増)と拡大し、流動化債権を含む分割・リボ払い残高は過去最高の4365億円(9%増)となっている。

エポスカードの新規会員数は、ネット入会が伸長したことにより81万人(7万人増)となった。期末会員数は過去最高の759万人(27万人増)。

これまで事業の成長をけん引してきたゴールドカードに加えて、アニメを代表とする一人ひとりの「好き」を応援するカードの取り組みを強化している。

「好き」を応援するカードは、一般カードに比べて若者の保有比率が高く、LTV(生涯利益)が2~7倍高いという。

アニメ・ゲームやエンターテインメントとコラボレーションしたカードは、熱量の高いファンが多く、SNSなどを通じて認知が広まりやすい特性もあり、ネット入会との親和性が高いことが特長となっている。

次期は、売上高2545億円、営業利益450億円(9.7%増)、経常利益410億円(5.7%増)、親会社に帰属する当期利益265億円(7.4%増)を見込んでいる。

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