池田勇太や稲見萌寧らが育ったジュニアゴルフの聖地がシニアプロ競技を開催 その狙いは?

イベントが開催された同週に箱根でシニアツアー開幕戦が行われるとあって、関西から奥田靖己、井戸木鴻樹、水巻善典らも駆けつけた(撮影:ALBA)

ジュニアからの三世代、そして生涯スポーツとしてのゴルフをショートコースから広げたい。そんな思いがイベントで表現された。4月15日、北谷津ゴルフガーデン(千葉県)で開催された「第1回レジェンドカップゴルフトーナメント」がそれだ。

北谷津GG所属の篠崎紀夫と、同施設を運営する株式会社山池の土屋大陸社長の構想が形になり、尾崎直道、丸山茂樹、羽川豊、田中秀道ら15人の男子シニアプロが集結した。北谷津のショートコースを2周した18ホールはホストプロの篠崎が優勝し、ギャラリーも約400人が集まった。
 
入場料は2千円。運営は施設のスタッフと、ここで練習している東大と千葉黎明高ゴルフ部の部員、そして地域住民を中心に約30人のボランティアという手作り感あふれる大会だ。選手とギャラリーを隔てるローピングも、安全を考えた最低限のもの。写真撮影もOKと、観る人の気持ちを優先したものだった。
 
選手たちからは大会を盛り上げるための提案が次々に飛び出したという。能登半島地震の被災者のために行われたチャリティオークションも積極的に盛り上げ、28万7千円を集めた。いずれも、大会の今後の可能性を感じていたからだろう。その可能性こそが、今後、プロ、ジュニア、そして一般アマチュアがゴルフを通じて触れ合い、心身ともに成長していくイベントの開催だ。
 
約30年前に故・千葉晃プロが始めた『北谷津ジュニアゴルフミーティング』からは、池田勇太、稲見萌寧をはじめ、多くのトッププレーヤーが育っている北谷津GGは、ジュニアゴルフの聖地でもある。『良いところを伸ばし、世界中の子供たちとゴルフを通じて友情を』というそのDNAは、2021年シニアツアー賞金王で、今も北谷津でレッスンを行っている篠崎に受け継がれている。
 
「30年経ってもそのベースは変わらない」と話す土屋社長の頭の中には〝次〟がある。「第2回は、シニアだけでなくジュニア、アマチュアと絡めたイベントを考えています。少子化でジュニアゴルファーの数もピークを過ぎている。その中で、いろいろな形にトライしていきたい。『次はいつやるの』という声もたくさん頂きました」と土屋社長。
 
そうなのだ。ショートコースだからこそ、できることがあるのだ。(清流舎/小川淳子)
 
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