古賀志山登山、より安全に 宇都宮のNPO法人「守ろう会」 日光森林管理署と協定

協定に基づいて登山道を合同パトロールする関係者

 【宇都宮】日光森林管理署とNPO法人「古賀志山を守ろう会」は15日、国有林の保全を目的とした「フォレスト古賀志山」協定を締結した。市街地に近い低山として登山者の人気を集める古賀志山で、国有林内にある山道の整備や安全確保の取り組みを進める。

 林野庁の「協定締結による国民参加の森林(もり)づくり」制度のメニューの一つ「多様な活動の森」に基づく協定。締結期間は5年。対象は同山内の国有林計77.3ヘクタールで、登山道として一般的な北コースなどが含まれる。

 守ろう会は2014年に結成され、これまで同山の自然環境を守る活動を展開してきた。今回の協定によって、国有林内での道標の増設や丸太橋の補修などを行えるという。また、山中で近年、相次いで見つかった塗料による木や岩への不自然なマーキングや通常ルートを外れていく踏み跡への対策も検討する。

 この日、森林公園内の赤川ダム湖畔で締結式が行われ、関係者11人が出席した。同管理署の中村昌有吉(なかむらまさゆき)署長は「多くの登山者に愛されるがゆえに課題も起きている。その解決に向かって協力が必要になっている」とあいさつ。守ろう会の池田正夫(いけだまさお)理事長は「協定に基づいた活動で良い方向に向かうよう取り組んでいきたい」と意気込んだ。合同パトロールも行い、危険箇所や道標の新設地点などを確認した。

© 株式会社下野新聞社