NASA、「月面列車」研究を進める–磁石の力で浮遊しながら移動、その速さは?

米航空宇宙局(NASA)は米国時間5月1日、月面で浮上しながら移動する列車「Flexible Levitation On A Track(FLOAT)」への、さらなる資金提供を発表した

FLOATは、将来の宇宙探査に向けた「SFのような」プロジェクトの開発を目的とした「革新的先進概念」(NASA Innovative Advanced Concepts:NIAC)プログラムの第2フェーズに移行した。FLOATは早ければ2030年代にも実現する可能性があるという。

FLOATは、3層のフィルムトラック上を磁石の力で浮上して移動する。可動部がなく、浮遊することから、車輪や脚などがあるロボットと異なり、摩耗を最小限に抑えられると説明。移動速度は秒速0.5m(時速1.8km)で1日あたり100tの物資を輸送できるという。月面のレゴリスの上に直接敷設するため、地球上での道路や鉄道のように大規模な工事は不要としている。

ジェット推進研究所(JPL)でロボットエンジニアリングを担当しているEthan Schaler氏は「我々は月面で信頼性が高く、自律的かつ効率的な積載物輸送を提供する、初の鉄道システムを構築したいと考えている」と語っている。

(出典:Ethan Schaler)

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