アップル、iOS 18の新アクセシビリティ機能を予告。視線トラッキングや乗り物酔い軽減など

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アップルは15日(現地時間)、2024年内に次期iOS 18/iPadOS 18等に登場する新たなアクセシビリティ新機能を発表した。ただし「iPadやiPhone」としているため、メジャーアップデート以前に実装される可能性もある。

視線トラッキング

  • iPadやiPhoneを目だけで操作できる新機能
  • 前面カメラを使って数秒で設定とキャリブレーションを完了させる
  • オンデバイスの(クラウドサーバーとの通信を必要としない)機械学習を使うため、全データはデバイス内に安全に保持され、アップルと共有されることはない
  • 追加のハードウェアやアクセサリーは不要
  • ユーザーは目線によりスワイプやジェスチャーなど指と同じ操作ができ、数秒間見つめることでボタンを選択できる

音楽ハプティクス

  • 聴覚に障がいを持つユーザーが音楽を楽しむための新機能
  • iPhoneのTaptic Engineがタップ音や洗練されたバイブレーションを音楽に合わせて再生する
  • 開発者は自らのアプリでAPIとして利用できる

幅広い音声に対応する新機能

  • 「音声ショートカット」は、Siriが理解できるカスタム発話からショートカットを起動したり、複雑なタスクを実行可能
  • 「非定型音声を聞く」モードを追加。脳性麻痺やALS(筋萎縮性側索硬化症)、脳卒中など、発話に影響を与える疾患を持つユーザー向け

乗り物酔いを軽減する「Vehicle Motion Cues」

  • 移動中の乗り物のなかでの「見ているものと感じているものの間の感覚的な衝突」を減らすアプローチ
  • 車両の動きに沿ったドット・アニメーションが閲覧の邪魔にならないようオーバーレイ表示される

CarPlayに音声コントロールやカラーフィルタ、サウンド認識を追加

  • 音声によりCarPlay本体やアプリを操作可能
  • 聴覚に障がいあるドライバーや同乗者に、車のクラクションやサイレンを画面上で通知
  • カラーフィルタや太字・大きなテキストによる視覚的なアクセシビリティ機能が追加

visionOSにも新たなアクセシビリティ機能が追加

  • システム全体でリアルタイムの文字起こし機能が追加
  • Made for iPhone補聴器と人工内耳補聴器にも対応
  • 視覚アクセシビリティのアップデート。弱視ユーザーや明るい光・頻繁な点滅を避けたいユーザー向け

ほか、VoiceOver(画像やテキスト読み上げ機能)の新たな音声、iPhone 15 Proモデルのアクションボタンで拡大鏡を簡単に起動できるオプション、点字入力の改善なども予告している。

アップルはアクセシビリティ機能をスマートフォン各社に先がけていることから、この動きが広く波及すると期待したいところだ。

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