宮田莉朋、F2イモラ戦へ。事前テストでのトップタイムは「自信に繋がった」/FIA F2第4戦プレビュー

 FIA F2としては約2カ月ぶりの開催となる第4戦イモラを直前に控えるなか、宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)が囲み取材に参加し、4月にスペイン・バルセロナで行われたインシーズンテストの手応え、そして第4戦に向けた抱負を語った。

 3月に開幕した2024年シーズンのFIA F2は、第1戦サクヒール(バーレーン)、第2戦ジェッダ(サウジアラビア)、第3戦メルボルン(オーストラリア)を経て、5月17〜19日にイタリア・イモラで開催される第4戦よりヨーロッパラウンドを迎える。

 ヨーロッパでの戦いを控えるなか、4月23〜25日にはスペイン・バルセロナのカタロニア・サーキットにてシーズン中唯一の合同テストであるインシーズンテストが行われた。3日間通してドライコンディションとなるなか、宮田はタイヤとコースの習熟をメインにテストに臨み、2日目午後のセッションではトップタイムをマークした。

「タイムだけを見ると、1日目と3日目が速くて、2日目はあんまりという感じでした」と宮田は振り返る。

「というのも、2日目は気温が高めでタイムが出にくいコンディション、1日目と3日目はかなり気温も低めでタイムが出しやすいコンディションでした。トップタイムを記録した2日目午後はタイムが出しにくいセッションかつ、ほとんどの車両が予選アタックシミュレーションを行っていたこともあり、あのセッションでのトップタイムは自信に繋がりました」

 具体的にその自信の要因を尋ねると、「僕が感じていることと、エンジニアが目指していることが合致してきている感じです。自分たちが取り組んでいることが間違った方向ではない、という部分はポジティブに感じています」と、宮田は説明した。

イタリアのイモラ・サーキット

 自信に繋がったテストを経て迎える第4戦イモラ。今季これまでの3戦中、開幕戦サクヒールを除けば、ストリートコースのジェッダ、公園の周回路と駐車場を組み合わせたメルボルンと、比較的特殊なコースが続いていたが、イモラは開幕戦以来の常設クローズドコースとなる。

「周りのドライバーはヨーロッパに戻るという感じですけど、僕はまた日本のサーキットとは違った特徴のあるコースに行くという感じです。イモラはジェッダやメルボルンとは違った常設サーキットではありますが、ここも日本のサーキットにはないアップダウンやコースレイアウト(左回り等)ですので、まずはコースをしっかりと理解していいレースにしたいです」

「ドイツの自宅にもシミュレーターがあるので、自分でできることはやっていますが、イモラは実車で走行したことがないコースですので、シミュレーターが(現実と)似ているのかどうかも、こればかりは走ってみなければわかりません。とはいえ、FIA F2はフリー走行も45分しかないので、まずはフリー走行をしっかりと走れるように準備していきたいと思います」

 イモラという難コースに挑む上での課題を尋ねると、宮田は「僕は圧倒的に高速コーナーですね」と語った。

「高速コーナーが一番クルマとタイヤの限界が求められるセクションです。クルマとタイヤの限界度合いをしっかりと掴むことができれば、バルセロナテストのようにトップタイムを出すこともあります。その限界を45分という短いフリー走行のなかでしっかりと掴んで予選に臨まないと、難しい週末になってしまいます。逆に言えば、限られた時間のなかで初めてのサーキットの走り方、タイヤの使い方を習熟できれば、しっかりと戦えると感じています」

 また、宮田はバルセロナでの3日間のテストで「タイヤの使い方の面でヒントを得ることができた」と語っていた。そのヒントが実を結び、イモラで宮田の後押しとなれば、今後のレースにも好影響を与えそうだ。

 2024年FIA F2第4戦イモラ、走り始めとなるフリー走行は5月17日の日本時間18時5分から45分間で行われる。予選と2回行われるレースに向けて、クルマとタイヤの限界を掴むべく挑む宮田の走りに、引き続き注目したい。

2024 FIA F2バルセロナ・インシーズンテスト 宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)

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