悲惨な戦争、なくすには 東海大山形高・ウクライナ大使館書記官招き講演会

インナ・イリナ3等書記官(中央)と安達滉太朗さん(左)、佐藤詩飛さん=山形市・東海大山形高

 ロシアによるウクライナ侵攻の終結の兆しが見えない中、山形市の東海大山形高(岡田恵子校長、841人)で15日、在日ウクライナ大使館の3等書記官による講演会が開かれた。大使館への依頼、日程調整を担ったのは生徒会のメンバー。「戦争は現実のものだと認識し、自分たちにできることを考えるきっかけになれば」と企画し、開始から2年経過した今も戦火に翻弄(ほんろう)される人々に思いをはせた。

 同校生徒会は以前から戦争反対のボードを作成したり、各教室のプレートをウクライナ国旗の色にしたりと、同世代に関心を持ってもらう活動をしてきた。講演会の発案者は生徒会執行部の3年佐藤詩飛(しひ)さん(17)。「関係者の生の声を聞きたい」と昨年、執行部に開催を提案し、生徒会総会で同意を得た。大使館に直接メールで依頼し、学校側を含めた日程調整を経て実現した。

 この日はインナ・イリナ3等書記官(文化・教育担当)が来校。同国の芸術や料理、自然、宗教などを紹介する一方、戦いで破壊された街や、ミサイル攻撃を受けたマンションの画像を示し「21世紀の出来事だとは今も信じられない」と視線を落とした。

 生徒会長の3年安達滉太朗さん(17)は、ウクライナの子どもが兵士を見送る様子を捉えた画像にショックを受けた。「両国のどちらが正しいのかは正直分からない」と受け止め「対話し、双方が納得する妥協点を見いだせないのだろうか」と話した。佐藤さんは「悲惨な戦争がなくなるよう、どういう社会をつくっていけばいいのか。自分たち若者が考えたい」と強調した。

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