武相高校硬式野球部 42年ぶり 県の頂点に 「雑草軍団」関東へ臨む 横浜市港北区

42年ぶりに優勝した武相高校硬式野球部(同部提供)

武相高校(仲手原)がこのほど開催された県高校野球春季大会で42年ぶりに優勝し、40年ぶりの関東大会出場を決めた。地区予選を勝ち抜いた80チームが出場した県大会。武相は、強豪校相手の準々決、準決、決勝と全て1点差ゲームとなった厳しい大会を制した。

「エリート校に勝つことを目的にやってきた。雑草軍団の意地を見せられた」と豊田圭史監督(40)。接戦続きの連戦にも、「これまで、負けないための取組みをしてきた」と自信をのぞかせる。一冬の過ごし方、練習方法を変えた。少ない時間で練習の質を上げ、フィジカルを強化し、オフの技術を磨く時間を増やしたという。「そうした日頃の成果が出せたということ」

チームが目標としてきたのが、昨秋の大会で越えられなかった「ベスト8」だ。4回戦で強敵・横浜商を5対3で下し、その目標を達成。主将の仲宗根琉空さん(3年)は「ベスト8に入った瞬間は震えた。試合まで1週間の準備期間があり、この一戦に全てをかけられた。次(準々決勝)からは一つでも多く勝とうという気持ちで一丸になれた」と振り返る。勢いそのままに、準々決勝で日大藤沢を6対5、準決勝で向上を6対5、そして決勝で東海大相模を9対8で下す快進撃を見せ、神奈川県の頂点に立った。

決勝戦で、8回表に決勝点となるタイムリーヒットを打った大久保快人さん(3年)は「前日の準決勝で打てなかった分を何とか取り返すつもりで、来た球を思い切り叩いた。うまく打てた」と喜んだ。強豪相手に一人で投げ切った三上煌貴さん(2年)は「ピンチの場面で踏ん張れたが、2本のホームランを打たれたことが課題。得意のストレートでなく変化球を捉えられたのが悔いが残る。変化球も突き詰めたい」と先を見据えた。

関東大会は5月18日(土)に初戦で埼玉県2位の昌平と戦う。選手・監督ともに初舞台。仲宗根主将は「レベルの高い相手。準備を怠らず、やってきたことを信じて、チーム一丸で雑草魂をぶつけたい」と意気込んだ。

取材に応じた豊田監督

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