ジョン・レノン、アルバム『マインド・ゲームス(ヌートピア宣言)』のアルティメイト・コレクションが発売

ジョン・レノン(John Lennon)が1973年に発表したアルバム『マインド・ゲームス(ヌートピア宣言)』のアルティメイト・コレクションが7月12日(金)に発売されます。発売に先立ち、「マインド・ゲームス」(エヴォリューション・ドキュメンタリー)が先行配信中。

『マインド・ゲームス(ヌートピア宣言)』のアルティメイト・コレクションにはデジタル、2CD、2LP、6CDと2Blu-rayのデラックス・ボックス・セットまで、さまざまな仕様があり、世界中で1,100セットのみ販売(日本ではUNIVERSAL MUSIC STORE限定で販売)されるMEGA DELUXE BOXは、9LP+1EP+6CD+2Blu-ray、ポスターやポストカードをボックスに収めたもの。MEGA DELUXE BOXのUNIVERSAL MUSIC STOREでの値段は247,500円(税込)です。なお、ジョン・レノンのアルティメイト・コレクションは『イマジン』『ジョンの魂』に続き、『マインド・ゲームス(ヌートピア宣言)』が3作目となります。

ジョン・レノンの4枚目のソロ・アルバム『マインド・ゲームス(ヌートピア宣言)』は、ヨーコ・オノのアルバム『空間の感触』に参加したミュージシャンたちとともに、ニューヨークのレコード・プラントでレコーディングされました。『マインド・ゲームス(ヌートピア宣言)』の楽曲制作は、レコーディングと同じくらい素早く行なわれています。ジョンはスタジオに入るわずか2週間前の73年7月16日の週に一連の新曲を作曲し、レコーディングは8月1日~5日、8月6日~16日にオーヴァーダブが行なわれ、8月21日~9月18日にミキシング、9月19日~21日にマスターテープが制作されました。このアルバムはジョンがみずからプロデュースし、ヨーコがプロデュースを手伝ったもので、フィル・スペクターが実権を握らなかった初めてのソロ・アルバムです。エンジニアはロイ・シカラとダン・バービエロ、セッションの終盤にアシスタントとしてスタジオ入りした若きジミー・アイオヴィンがスタジオ作業を手伝いました。

73年、当時33歳のジョンは、個人的にも、そして政治的にも激動の真っただ中にいました。アメリカ移民局との数年にわたる強制送還を巡る係争が続く一方で、彼の反ニクソン運動、反ベトナム戦争活動、そして72年のアルバム『サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ』に込められた政治的なメッセージによって、彼は当選したばかりのリチャード・ニクソンの標的となり、FBIに監視されるまでになっていました。そんななか、一流のセッション・ミュージシャンたち(冗談交じりに「プラスティック・U.F.オノ・バンド」と名付けられた)とともに制作されたのがこのアルバムです。ジョンはこの異常な状況下で、愛、失恋、平和、精神性、社会的不正義といったテーマをアルバム制作で探求しました。

ヨーコ・オノの許諾を得て、この作品の制作とクリエイティヴ面を監修したショーン・レノンがプロデュースしたアルティメイト・コレクションは、グラミー賞を3度受賞したエンジニアのポール・ヒックス、ミキサー / エンジニアのサム・ギャノンとロブ・スティーヴンスなど、『イマジン』と『ジョンの魂』のアルティメイト・コレクションと同じ音響チームが携わっています。

このアルティメイト・コレクションは、リスナーをスタジオの中心に置き、ニューヨークのレコード・プラントで73年に行なわれたアルバムのレコーディング・セッションを、その始まりから最終マスターに至るまで、未発表のアウトテイク、そのままのヴァージョン、インストゥルメンタル、ストリップ・ダウン・ミックス、スタジオでのおしゃべりなど様々な素材を使って、ファンのお気に入りの曲がどのように進化し、命を吹き込まれていったかを明らかにしたものです。

ヨーコ・オノはこの作品について「ジョンが伝えたかったのは、私たちはみんな心理ゲーム(マインド・ゲーム)をしているということ。でも、もし私たちがマインド・ゲームをすることができるのなら、それでポジティブな未来を作ったらどうだろう――ポジティブなマインド・ゲームになるように。〈マインド・ゲーム〉は信じられないほど強い曲なの。当時は、この曲の時代が来る前だったから、人々はこのメッセージをよく理解できなかった。今なら皆が理解してくれるはず。当時は、自分たちがマインド・ゲームをしていることにも気づいていなかったと思うわ」と語っています。

Photo:John Lennon at Lou Alder's house, 1973. ©Yoko Ono

© 株式会社シーディージャーナル