森田さ~ん、全米プロのお天気は? 「バルハラは奈良のイメージ」/森田正光のメジャー天気予報

バルハラの4日間の天気を予報する(撮影/服部謙二郎)

海外男子ツアーのメジャー2戦目「全米プロゴルフ選手権」が16日(木)に開幕する。ことしの舞台はケンタッキー州のバルハラGC。2014年以来、10年ぶりに同地での開催となる。TBSのニュースでもおなじみ、気象予報士の森田正光さんに現地の大会期間中の天気を解説してもらった。

雨がそこそこ降るが比較的過ごしやすい

ケンタッキー州は広大なアメリカの中東部に位置します。南東にアパラチア山脈がありますが、コースのある場所は標高が150mとさほど高くなく、内陸の平野部で起伏もありません。盆地をイメージしてもらうと分かりやすいかもしれませんね。

気候は温暖湿潤気候。年間を通してわりと雨が降りやすい場所で、毎月の降水量は約100mmほど。春のシーズンということもあり、大会期間中は必ず一日は雨が降るでしょう。例年5月の平均気温は20度、最高気温がおよそ25度と、比較的過ごしやすいかもしれません。朝晩と日中の気温差も10度前後と、そこまで厳しい環境ではないと思います。

緯度でいうと日本の仙台と同じぐらいの場所ですが、降水量や気温を考慮すると、気候は奈良が一番近いと思います。内陸部の盆地で、春先はそこそこ雨が降り、標高も同じぐらいではありますが、奈良っぽい天気と言われてもピンと来る方は少ないかもしれませんね(笑)。

ちょうど暖気と寒気がぶつかって大気を不安定に(撮影/服部謙二郎)

では、なぜ雨が降りやすいかを説明しましょう。ケンタッキー州の辺りは、ミシシッピーやアラバマのほうから来る南風と、北側の冷たい空気がぶつかりあって、雨を降らせる低気圧が発生しやすいんです。特に春先はこの傾向が強くなります。積乱雲が発達しやすいので、ときに突風や雷雨も起こります。急な天候変化にも気を付けなければなりません。

では、気候の特徴を踏まえて、ことしの「全米プロ」4日間の天気予報を見ていきましょう。

金曜日は特に雨に注意が必要だ(撮影/服部謙二郎)

上記した通り、やはり大会期間中に前線が通過する予想で、特に金曜日は荒れた天気になりそうです。晴れマークの日もありますが油断は禁物。晴れて気温が上がるということは、暖まった空気が上昇して雨雲が発達しやすいということで、急な雷雨となる可能性も十分にあります。

まだ5月なので気温が25℃を超えても清々しい陽気と思われますが、天気の急変には気をつけたいですね。

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