インドネシア次期大統領、8%成長「2─3年で達成」 財政拡大方針

[ジャカルタ 15日 ロイター] - インドネシアのプラボウォ次期大統領は15日、借金をいとわない果敢な財政運営に前向きな姿勢を示し、8%の成長率目標は2─3年以内に達成できると予想した。カタールで開催された経済フォーラムで述べた。

プラボウォ氏は10月に大統領に就任する。選挙戦で掲げた公約は巨額の資金を必要とする政策が含まれる。たとえば学校給食の無料化は、完全に実施された場合、2024年予算の14%に相当する約300億ドルを要すると試算されている。

プラボウォ氏は、政策構想が財政赤字の法定制限(GDP比3%)に抵触せずに実現できるのかという質問に、3%という数字は「恣意的」だが規則を変えるつもりはないとした上で、「わが国は債務比率が世界で最も低い国の一つだと思う。今こそ、きちんとしたガバナンスの下、もっと大胆になる時だ」と述べた。

インドネシアの債務は対GDP比40%弱。昨年の財政赤字はGDP比1.65%で11年以降で最低だった。

同氏は、ジョコ大統領の首都移転計画の維持を明言。計画は国内資源を主に活用し25─30年かけて進められると説明した。

経済については、パームヤシを原料とするバイオ燃料の増産など食料・エネルギーの生産促進に注力して成長を加速させる方針を示した。

「(成長目標の)8%を容易に達成できると確信しており、さらにその上を目指す決意だ」と述べ、成長目標は2─3年で達成できると指摘した。

インドネシアの成長率はコロナ禍を除く10年間、5%前後で推移している。

格付け会社のフィッチ・レーティングスとS&Pグローバル・レーティングのアナリストは、中期的に成長率は5%前後で推移すると予測している。

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