10日、百聯集団のブースで、上海三聯（集団）傘下の呉良材眼鏡が展示した敦煌博物館とのコラボレーション文化クリエーティブ製品。（上海＝新華社配信）
【新華社上海5月16日】中国上海市で10日から14日まで、中国ブランド博覧会が開催され、老舗ブランドが百年の匠（たくみ）の技を受け継いだ上に、製品の積極的なイノベーションを図り、多くの製品を海外市場に送り出している姿を見ることができた。
「芸術＋（プラス）」による業種・業態を越えたコラボレーションが多くの「中華老字号」（中国老舗企業）に新たな活力を与えている。上海三聯（集団）傘下で300年以上の歴史を持つ呉良材眼鏡は、敦煌博物館とコラボしたトーテム柄、瑞獣柄の眼鏡ポーチを発表し、注目を集めた。
同社の陳慷（ちん・こう）ブランドマネジャーによると、今回のコラボシリーズは新たな消費者層のインサイト（消費者自身が気づいていない本音や動機）が元となっているという。敦煌は若い消費者に人気の高い新たな「国潮（中国の伝統文化を取り入れたデザイン）」IP（知的財産権）で、コラボレーションを通じて同社は、敦煌壁画からインスピレーションを得た視力検査表、眼鏡拭き、シルクスカーフなど、「眼鏡以外」の文化クリエーティブ製品をシリーズ展開している。
10日、光明食品（集団）のブースで「ニューフェース」を披露する多くの老舗ブランド。（上海＝新華社記者/方喆）
食品メーカーの上海梅林正広和は、「お一人様食」を好む若い消費者の「持ち運びやすく開けやすい」という新たなニーズに応え、「消費者がいつでもちょっと追加できる」1個約50グラムの個包装ランチョンミートを発売した。乳製品大手、光明乳業のブランド、光明冷飲の新製品「吸吸氷」シリーズのアイスクリームは、消費者の「手を冷たくせずに冷菓を食べたい」というニーズに狙いを定め、「冷感」を遮断し手に持っても冷たくならない設計で消費体験を向上させた。
東方国際（集団）傘下、上海三槍（集団）の老舗ブランド「三槍」は、宇宙コンセプトシリーズ、ゼロカーボンファイバーシリーズなど革新的な生地を使った新製品を会場に持ち込んだ。
10日、宇宙コンセプトシリーズ、ゼロカーボンファイバーシリーズなど革新的な生地を使った新製品を発表した「中華老字号」三槍のブース。（上海＝新華社記者/方喆）
東方国際（集団）の季勝君（き・しょうくん）総裁によると、三槍はデジタルトランスフォーメーション（DX）の推進に力を入れ、ファッショントレンドの収集と分析、生地のAIスマート検査、サプライチェーン（供給網）の協調管理、全チャンネルマーケティングを実現した。また、ベルギー、ベトナム、ケニアなど海外市場向けに、共同ブランドのファッション、アクセサリーを特別に開発したという。
同市商務委員会市場体系建設処の王紀昇（おう・きしょう）処長は、「現在多くの老舗ブランドが、より高い技術水準と強いイノベーション力を持つだけでなく、徐々に海外進出も進め、世界的な認知度を獲得していることに注目している」と述べた。（記者/周蕊）
