「プロから電話をかける」 笹生優花らLPGA選手がジュニアの“メンター役”に

“メンター役”も担当。笹生優花がアマチュアとの戦いを心待ちにしている(撮影:ALBA)

<ミズホ・アメリカズオープン 事前情報◇15日◇リバティ・ナショナルGCニュージャージー州)◇6675ヤード・パー72>

今大会のフィールドは144人。プロは120人で、残りの24人は全米ジュニアゴルフ協会(AJGA)との連携によってジュニア女子ゴルファーが出場する。プロはストロークプレーで、ジュニアはポイント制のステーブルフォード方式。そして週末には、予選通過したプロ2人とジュニア1人が同組でプレーする。

この特徴的なフォーマットについて、笹生優花は大歓迎。2018年にはアリゾナ州で行われたAJGAの大会で優勝も飾っている。「去年も一緒に回ってすごく楽しかった。自分もつい最近までAJGAに出ていたけれど、こういう機会はなかった。今、女子ゴルフが向かっているルートが良いところに来ているんじゃないかな。ジュニアの選手も、自分みたいにプロになった選手にもいい影響が出ると思う」。

それだけではなく、笹生はこの取り組みにおいてある重要な役割も担っている。ジュニア24人それぞれに、プロが“メンター”として面倒を見てあげるというもの。21年「全米女子オープン」覇者でもある笹生はアンナ・ファンさんのサポート役となった。担当が発表されたとき、アンナさんは『“Yuka Saso”がわたしのメンター!? うれしすぎる!』と話していたとAJGAスタッフは明かす。

さらに知っておきたいのが、これはジュニアから声をかけるのではなく、「選手の電話番号をもらって、プロから声をかける」ということ。世界最高峰のツアーでトップ選手が目の前にそろえば、10代の女の子は緊張してしまうのが当たり前。「若くて恥ずかしがり屋な子が多いし、自分もそうだったから。プロから声をかけるというのはジュニアの子たちも話しやすいし、リラックスにもなる」と話す。

そして練習ラウンドをともにした。「プレッシャーになるのかいい刺激になるのかわからないけれど…。自分だったら一緒に回りたいけれど、緊張して練習にならなさそう。それも経験して成長してもらいたい」。試合に向けて真剣に準備する姿や会話を通して、かつての自分のようにプロゴルファーを目指すジュニアたちには手間を惜しまない。

自らもシーズン中にジュニアイベントを主催している。昨夏に開催したときには、「遠い存在に思われたくない」と積極的に話しかけている姿が印象的だった。謙虚で、強い信念を持つ22歳はジュニアに寄り添うことを大事にする。

「LPGA、ミズホさん、(ホスト役の)ミシェル・ウィーさんがやっているアイデアは良いと思う」。昨年は7位に入った。今年も優勝争いを繰り広げ、ジュニアにカッコイイ姿を見せたい。(文・笠井あかり)

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