スタイリストに聞く、 リーズナブルにおしゃれを楽しむ「ちょい足し術」

費用はセーブしてもおしゃれって呼ばれたい

アウトドアにも最適な季節がやってきました。コロナ前のように気軽に食事会も可能になり、行楽地や街中に出掛ける機会が増えました。

一方で食料品や日用品の値上げが続いています。「長びくデフレを脱却しインフレに突入」と言われても(?)と思っていた頃と違い、値上げを痛感する今日この頃です。2000年と2023年を比較すると、年間の消費支出は381万円から353万円と減少していますが、食料品の支出は97万円から104万円に増加しています。

具体的な費目では乳製品が1万4000円から2万3000円、卵は9000円から1万3000円に大きく上がり、値上げの影響の大きさが伺えます。このように数字を見ると、違いがはっきりしますので驚きです。
(出典:総務省統計局「家計調査報告-月・四半期・年- 家計調査 2023年(令和5年)平均(2024年2月6日公表) 二人以上の世帯 支出金額」)

これらの値上がりを考えると、被服費や交際費にしわ寄せがくることは否めない状況ですが、この季節になると新しい洋服がほしくなります。参考までに総務省の家計調査から、被服費の月別支出状況は図表1のとおりです。3月頃から7月頃まで支出が多いようです。

(図表1)

何を“ちょい足し”すれば、おしゃれ感はアップする?

そこで無駄遣いをすることなく、ちょっとした工夫でおしゃれをリーズナブルに楽しむコツを探るべく、主婦のコーディネートに詳しい知人のスタイリストさんに、ノウハウを伝授してもらいました。

まず手持ちの洋服を全部出して可視化します。おしゃれのコツは季節の先取りなので、春ではなくノースリーブなどの夏服! 羽織物で調整します。洋服も大事ですが、帽子や足もと、アクセサリーなどの小物で遊ぶのがお勧めです。

ファストファッションをうまく使うことで、リーズナブルに流行を取り入れることができます。リーズナブルでも流行を追うのではなく“自分の楽しくなるもの”という軸はぶれないように心がけてください。

<実際に今季の流行について>

1. パンツ
「スリムタイプからゆったりシルエットに」「ヒップボーンからハイウエストに」この2点が今のポイントです。購入するのなら意識してみましょう。

2. スカート
ロング丈、ボリュームタイプが主流。パンツと同じようにふんわりシルエットを選ぶと今年らしくなります。

3. 足もと
厚底のサンダルや夏用ブーツが流行中です。厚底のサンダルは安定感がありますので、アウトドア派にも取り入れやすいアイテムです。

<流行のポイントを聞いて私の“ちょい足し”>

1. 手持ちの“ふんわりシルエット”のワンピースなどが今風であることが分かり使用頻度が増えそうなので、これに合うサンダルを探してみようと思います。

2. お気に入りのスリムタイプが傷んだので、パンツの購入を予定していました。履き心地が良かったので同じタイプをリピート買いしようと思っていましたが、せっかくアドバイスを得たので今風のモノを探すことにしました。違ったタイプを購入することで、新しいコーディネートも楽しめそうです。

「今季の流行」を確かめたくて、お話を聞いた後知人のスタイリストさんにウィンドーショッピングに同行してもらいました。コロナ以降ゆっくり買い物する気分になれず、流行にも鈍感になっていた自分を反省しつつ、外へ出掛けるワクワク感を実感しました。

“ちょい足し”おしゃれレベルを上げるには、目を養うことも必要です。休日の過ごし方の1つにウィンドーショッピングを加えたいと思います。

最後にFPからのアドバイスを2つお伝えします。

__■まずは、「あくまで今日は見るだけ」「見る目を養う日」などとして出掛けましょう。後日じっくり買い物する余裕を持つことも大事です。
■「これで良い」ではなく、「これが良い」と納得できる買い物をすることで、無駄遣いが防げます。__

出典

総務省統計局「家計調査報告-月・四半期・年- 家計調査 2023年(令和5年)平均(2024年2月6日公表) 二人以上の世帯 支出金額
総務省統計局「家計調査(家計収支編)時系列データ(二人以上の世帯) 1.品目分類:支出金額・名目増減率・実質増減率(月・年)

執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

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