森づくりの知恵が集結…道総研の研究成果発表

北海道の豊かな森林を守るための知恵や道産木材の活用方法に関する研究成果の発表会がきょう、札幌で開かれました。北海道立総合研究機構(道総研)が主催し、森づくりと木材利用をテーマにした35の研究成果が発表されました。

発表会には林業関係者のほか、森林資源の活用法について学ぶ学生らが訪れ、「シラカンバを建築材に使おうという方向性が見えてこれからどのように利用されていくのか興味がわいた」などと話していました。

中でも注目を集めていたのは、体長5ミリほどの虫が持ち運ぶ病原菌によってミズナラの木が枯れてしまう「ナラ枯れ」の研究です。道内では去年、渡島の松前町と福島町でナラ枯れの被害が初めて確認されました。ナラ枯れが広がると林業に影響が出るだけでなく、クマのえさであるドングリが減り、食べ物を求めてクマが人里に現れる可能性が高まるとして、道総研森林研究本部の和田尚之さんは「虫がミズナラの木から出てくる前に中の虫ごと木を駆除することが重要。山で赤く枯れたミズナラ類がないか目を向けてもらい被害木を確実に見つけ出すことが一番大事になる」と注意を呼び掛けています。

また、道総研森林研究本部の加藤幸浩本部長は「林業や木材の関係者に研究成果を使ってもらい産業の振興につなげてもらいたい」とコメント。今後も研究成果を共有する機会を増やして林業の現場や企業での活用に繋げたいということです。

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