日経平均は3日続伸、約1カ月ぶり高水準 米CPI後の米株高で

Hiroko Hamada

[東京 16日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比534円53銭高の3万8920円26銭と、3日続伸して取引を終えた。4月の米消費者物価指数(CPI)の伸び鈍化を受けて前日の米国株が上昇したことを好感し買いが優勢となった。指数寄与度の大きい半導体株などが買われ、日経平均は約1カ月ぶりの高値水準となった。

日経平均は前営業日比260円高でスタートした後、上げ幅を広げた。米CPIの伸び鈍化に伴い米金利が低下したことを受けて、ハイテク株やグロース(成長)株が堅調だった。ただ、買いが一巡すると伸び悩み、127円高まで上げ幅を縮める場面もあった。

後場はハイテク株が一段高となり、日経平均は再び上げ幅を拡大。後場終盤には563円高の3万8949円38銭まで上昇し、約1カ月ぶりの高水準となった。

日経平均は堅調さを維持した一方、TOPIXは小幅高にとどまるなど、物色の偏りもみられた。プライム市場では6割の銘柄が値下がりし、「朝方公表された1―3月期のGDP(国内総生産)が弱かったことや、円高進行が重しとなっている可能性がある」(国内証券・シニアマーケットアナリスト)との指摘もあった。

岩井コスモ証券の投資調査部部長・有沢正一氏は「米金利の低下傾向が鮮明になりつつあり、目先はPER(株価収益率)が高いようなグロース株を中心に買われるのではないか」とみている。

テクニカル面では、上値抵抗線として意識されていた25日移動平均線(3万8409円88銭=16日)、75日線(3万8568円34銭=同)を上回っており、「足元の水準をしばらくキープできれば、日本株は上方向を試す展開となりそうだ」(有沢氏)という。

TOPIXは0.24%高の2737.54ポイントで取引を終了。プライム市場指数は0.24%高の1409.05ポイントだった。プライム市場の売買代金は5兆0657億9500万円だった。東証33業種では、サービス、証券、その他製品など16業種が値上がり。パルプ・紙、石油・石炭製品、鉄鋼など17業種は値下がりした。

個別では、指数寄与度の大きい東京エレクトロンが4%超高、アドバンテストが2%超高で、2銘柄で日経平均を198円ほど押し上げた。リクルートホールディングスは9%超高と大幅上昇。ソフトバンクグループも堅調だった。

一方、主力のトヨタ自動車は1%超安で軟調。ホンダ、スズキも売られた。自社株買いなどが物足りないと受け止められた三菱UFJフィナンシャル・グループは4%超安。

新興株式市場は、東証グロース市場250指数が1.31%安の635.09ポイントと、続落した。

プライム市場の騰落数は、値上がり607銘柄(36%)に対し、値下がりが994銘柄(60%)、変わらずが50銘柄(3%)だった。

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