「あの味が忘れられなくて…」 最後の生ロールケーキに行列 老舗和菓子店 あす156年の歴史に幕 群馬・みどり市

約50人が列を作った長寿軒本店

 156 年の歴史にあす幕を下ろす老舗の和菓子店「長寿軒本店」(群馬県みどり市大間々町、長沢淳代表)では16日、開店時の午前9時に約50人が列を作り、名物の生ロールケーキを買い求めた。

 午前8時から並んだ先頭の女性は「夜勤明けだったが、あの味が忘れられなくて並んだ。やわらかく、しっとりとした食感が好き」と語った。列を作った人たちは「カレーうどんの山本屋に続き、長寿軒も閉店することになり寂しい」「閉店の知らせを聞いて前橋市から来た」などと話していた。

 開店から20分で用意された生ロールケーキ40本は完売した。店内では客から「長い間、ごくろうさまでした」「おいしいケーキをありがとう」とねぎらいの言葉がかけられた。長沢代表は「こんなに多くの人が待ってくれていて感激。ただ、用意できるのが1日40本なので、申し訳ない気持ち」と頭を下げた。17日も40本を販売する予定。

約50人が列を作った長寿軒本店

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